第十六話
盗賊団の拠点は洞窟だった。気配からして中はかなり広そうだ。俺はまず見張りをしていた男三人を投げナイフで頭を撃ち抜き殺した。そのまま洞窟内に侵入した。途中で他の奴と出くわしたが、仲間を呼ばれる前に全員一瞬で首を刎ねた。
「スゲー斬れ味だな。」
『そうだろう。我の体が使われている武器じゃからの。当然じゃ。』
夜月は自慢そうに言った。実際黒葬姫には様々な能力があるが、その一切を使わなくても相当な力を持っている。洞窟内を進んでいると変な臭いがした。
「これは・・・。」
臭いを辿って移動すると女と男が交わっている部屋を見つけた。盗賊に捕まった女が犯されているのだろう。男達は女を犯すことに夢中で、気配を消しているこちらに気付いていなかったので、首を一人ずつ静かに刎ねた。女達は突然のことで茫然としていた。騒がれると困るので殺した。そして俺は気にせず俺は奥に歩いて進んだ。
何回か盗賊供とすれ違った。気配を消しているおかげで相手は俺に気づかず、すれ違いざまに首を刎ねた。そこから部屋になっている場所に向かい、そこにいた盗賊達を片っ端から殲滅した。洞窟がやけに広かったのは魔術師が魔術で広げていたようだ。盗賊の中には少し手応えがある奴もいたがすぐに殺した。元Aランク冒険者とか言っていたが、所詮は表の世界で生きられなかった雑魚だった。そして俺は今、洞窟の一番奥の部屋の無駄にでかい扉の前に立っていた。
「ここに頭領が居るんだな。夜月、なんか変な気配がするが何だ?」
『これは、魔人じゃな。大した力は持っとらんな。主人なら余裕じゃろ。』
魔人ね。夜月が言うには魔人は、魔族や悪魔によって体を弄られ魔の力に染まった人族の事らしい。その殆どが魔族や悪魔の眷属らしいので、会ったら殺した方が面倒が少なそうだ。
「ここは正面から行くか。黒葬姫の能力を試したいしな。」
『良いな!頑張るのじゃぞ、主人。』
夜月は機嫌良く俺の言葉に答えた。俺は扉を黒葬姫で斬り刻んだ。その奥には、いかにも悪い奴といった顔をした男と執事っぽい服装の壮年の男が驚いた様子でこちらを見ていた。
「よぉ。こんな所で企み事か?なら、運が悪かったな。じゃあ、さっさと死んでくれ。【黒炎装】。」
相手が動き出す前に俺は距離を詰め、黒炎を纏って頭領らしき男の胴体斬り黒炎で塵に変えた。その後、すぐに壮年の男、魔人が俺から距離を取りながら【
「っ⁉︎貴方は何者なのでしょうか?私が誰か分かっているのですか?」
「魔人ってことか?それなら最初から分かってる。それに俺は依頼されて来ただけだ。お前の事情に興味はない。だが、精々足掻いてくれよ。でないと黒炎を纏った意味がない。」
俺は丁寧に魔人の質問に答え、魔人が動き出す前に斬撃を飛ばした。斬撃も黒炎を纏っており、魔人は危険と判断したのかすぐに回避しようとしたが残念な事に斬撃は右腕に掠り、右腕は塵になった。
「がぁぁぁ‼︎な、なんだと‼︎」
魔人は想定以上の痛みに悶えた。その隙に俺は魔人との距離を詰め、魔人の左腕と片足を斬り落とし塵にした。
「ぐぅぅぅ‼︎貴様‼︎よくも‼︎【
両腕を無くした魔人は痛みに悶えながらも俺に魔法攻撃をしてきたが全て纏っていた黒炎に焼き消された。
「なぁ、お前は何してたんだ?興味ないとは言ったが、一応ギルドに何があったか報告しないといけないんだ。教えてくれたら楽に殺してやるよ。」
魔人は敵意に満ち溢れた目で俺を睨んだ。
「誰が貴様などに、ガァァァァ‼︎‼︎」
反抗的だったので黒炎で体の表面を焼いてやった。
「言いたくないなら、言いたくなるように躾けてやる。簡単に死んでくれるなよ。」
それから魔人を丁寧に説得したら泣きながら色々教えてくれた。まず、魔人は魔族の眷属でここには何かの儀式で使う贄を受け取りに来たらしい。その贄がなんと、ハイエルフなんだそうだ。ハイエルフはこの部屋の隠し部屋に閉じ込めているらしい。助けるが盗賊団の倉庫らしき場所から戦利品を少し回収した後だ。それと魔人は約束通り楽にしてやった。
「夜月。ハイエルフが何か知ってるか?」
夜月にハイエルフについて聞くと少し呆れていた。
『主人は本当に何も知らんのだな。』
言ってなかったが、夜月には俺がプレイヤーと呼ばれる異世界人と伝えている。
『ハイエルフとはエルフの上位種族で精霊達に祝福されておる者じゃ。エルフよりも顔は良く、昔は一人のハイエルフを巡って戦争すら起こったほどじゃ。魔法の適正も高く寿命は1万年を超えると言われておる。それ故か触媒としての適正もかなり高い。魔族が捕まえておったのだから、碌でもない事をするつもりなのじゃろう。』
夜月の説明に俺は感心していた。
「そんな凄い奴なんだなハイエルフって。おっ!ここか。」
壁際を触っていると不自然な箇所を見つけ押すと、床から階段が出てきた。そこを降りていくと檻がある部屋に出た。
「お前がハイエルフか?」
檻の中には首輪を付けたこの世のものとは思えない銀髪の絶世の美女がいた。女は俺を睨み付けながら言った。
「貴方もあの魔人の仲間ですか?私をどうするつもりですか?」
「いやぁ。違うぞ。俺は依頼で来たただの冒険者だよ。魔人ならさっき殺したところだ。」
女は信じられないといった様子でこちらを見ていた。
「信じられないならそれで良い。ここに来る前に仲間に合図を送ったからもう少しで来るはずだ。それに、相手側から来てくれたらしい。」
そう言って階段の方を見ると、肌が真っ黒で角の生えた若い男が拍手をしながら降りてきた。
「凄いね。最初から私に気付いていたよね。たかが
「お前が魔族か。・・・・・想像より弱いな。これならあのゴブリンの方が強いな。」
魔族は俺の言葉が気に入らなかったのか言い返してきた。
「私がゴブリンより劣る訳がないでしょ。貴方は見る目がないようだ。」
俺は本気で言っているのかと思った。この魔族と考えているゴブリンは俺と違うだろうが、はっきり言って弱い。まず、立ち位置がなっていない。後ろが階段なので回避できる方向が限られるし、動きに無駄が多く隙だらけだ。魔法職だとしても動きがなっていない。
「私が用意したレッサーフェンリルも倒され、計画が大きく狂っているのに面倒な。早く死になさい。【
先程の魔人よりも黒く速い魔法を放ってきたが、俺は笑いながら呟いた。
「【龍黒葬】。」
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作者です。いまいち良い物語が思いつきません。こんな物語が良いや質問などがある人はコメントなどをどんどんしてください。
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