第七話

 翌日、朝飯を食いに部屋を出ると沙耶香が部屋の前で寝ていた。仕方なく起こして、一緒に飯を食っていた。


 「ねぇ、【Revolution World Online】って知ってる?隆貴のお爺さんが作ったゲーム。」


 飯が食い終わった後、沙耶香がゲームの話をしてきた。


「あぁ。知ってるぞ。昨日、先行プレイしてた。」

 「やっぱやってたか。私も先行プレイしたよ。凄かったよね‼︎他のゲームが霞んじゃうくらいリアルで面白いゲームだったよ‼︎」


 興奮する沙耶香に同調しながら俺は、爺さんの話を思い出していた。


 「そうだな。確か、一週間すると正式リリースだったな。先行プレイした時から五年後の世界だったけか。」

 「そうらしいね。一様引き継ぎは出来るらしいけど、直ぐに追い付かれると思うよ。私たちは、少し難しい難易度しか選択できなかったし。因みに私はかなり高い難易度にしたけど隆貴は、ってどうせアポカリプスって言う最高難易度選んだんでしょ。」


 沙耶香に見透かされている事は気に入らないが、否定するまでの事では無いので肯定した。


 「まぁな。最初だからかそんな難しく感じなかったがな。」


 沙耶香がドン引きしていた。


 「えっ⁉︎マジで言ってる?あのモードのせいでリアルで病院に搬送された人、結構いたらしいけど。」

 「ふぅ〜ん。」


 興味が無いから適当に沙耶香の話を聞いていると婆様のところの側付きが近付いてきた。


 「隆貴様、沙耶香様、至急雛様から、話があると言伝を預かっています。」

 「婆様が?分かった。すぐ行く。」


 そう言って立ち上がると沙耶香も一緒に立ち上がった。


 「では、お部屋まで御案内します。」


 そして婆様が待っている部屋に着き、部屋に入ると気に入らない面々が揃っていた。


 「婆様、なんでコイツらがいるんだよ。」


 部屋の中には婆様の他に爺さんと俺の両親と長男がいた。


 「どうしたの?隆貴、・・・うわぁ〜。」


 沙耶香は、急に俺が不機嫌になったのが不思議だったのか俺を退かすと納得したように嫌な顔をした。沙耶香は俺の親兄弟とは面識があるのだが、俺への態度が気に入らないのか嫌っている。


 「早く入りなさい。隆貴、コレは貴方に関係のある事だから。」


 婆様は落ち着いた雰囲気で不機嫌な態度を隠そうとしない俺を諭した。不機嫌だが、婆様の言うことなので渋々従った。


 「皆揃ったわね。今回集まって貰ったのは、隆貴についてよ。」


 婆様が話を始めると長男の黒川陽闇くろかわひやみがニヤニヤしながら、


 「お婆様、やっと此奴を追い出す気になりましたか。」


 馬鹿だなと思いながら俺は黙って話を聞いていた。


 「お婆様、この男はやはり誇り高き黒川家に相応しくありません。なのでここは「誰が喋って良いと言いましたか?陽闇、少し黙っていなさい。」ぐっ・・・・・は、はい。」


 陽闇は顔を真っ赤にして黙った。ザマァねぇな。内心陽闇を馬鹿にしながら婆様の話を聞いた。


 「私は、隆貴を秋原沙耶香と結婚させたいと考えているわ。」


 俺も含めた婆様と爺さん以外の全員が急な話に驚いていた。最初に声を上げたのは沙耶香だった。


 「わ、私と隆貴が結婚ですか‼︎本当なんですか‼︎」


 沙耶香は顔を赤らめながら婆様に確認した。


 「えぇ。貴方の両親からは既に許可は貰っているわ。後は、貴方達の意志しだいよ。」


 俺は、失礼だと思いながらも婆様がついにボケたのかと疑った。いくらなんでも話が急過ぎる。


 「婆様、流石に話が急過ぎるぞ。沙耶香だってそう思う・・・・・だろ。」

 「私が隆貴と結婚。ふふふ。結婚出来るんだ。ふふふ、ふふふ。」


 沙耶香は体をクネクネさせながら何かを嬉しそうに呟いていた。正直かなり怖い。


 「兎に角なんで俺と沙耶香を結婚させる話になってんだよ。」


 婆様は悲しげに、


 「だって貴方、昔から無茶ばかりするじゃない。だから、貴方に家族の大切さを知って欲しいのよ。」


 それを聞いて、いつの間にか俺はキレた。


 「はぁ⁉︎家族だぁ‼︎何を今更‼︎こんな糞みてぇな奴らが身内だって事自体気に入らねのに、なんで家族増やさなくちゃいけねんだよ!!ふざけんなよ‼︎‼︎」

 「おい隆貴、流石に言い過ぎじゃぞ。仮にも家族じゃろ。」


 爺さんが俺を止めようとしたが、


 「うるさせぇんだよ‼︎黙ってろ‼︎‼︎」


 体の中から何かが溢れてくる感じがした。ゲームで感じた魔力と似た感覚がする。それを一切抑えず、外に一気に放出した。


 「マズイぞ。雛‼︎」


 爺さんが婆様を呼ぶと婆様は申し訳無さそうに言った。


 「ごめんなさい。貴方がここまで怒るとは思わなかったの。愚かな私を許して頂戴。少しの間眠って頭を冷やしなさい。隆貴。」


 すると体から急に力が抜けて、睡魔が押し寄せてきた。


 「ふざ、けん・・・な。」


 そう言って俺は意識を手放した。


——————————————————

 作者です。半分勢いで書いているので自分でもどうなるか良く分かっていません。

 ★と応援お願いします。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る