第10話

あれから納品してからまた道場に来た。


「お疲れ様です!よろしくお願いします!」

「お疲れ様〜!ん?なんか今日疲れてる??」

なぜに分かるんだ??

「実は・・・・」

今日ダンジョンで戦った黒ゴブリンの事を話した。


「という事があって、長物の対処法と間合いの詰め方が分かんなくて大変だったんですよ〜」


「なるほどな・・・・なら長物の対処法は俺が教えよう!」

「ホントですか!?・・・・って長物使えるんですか!?」

「あぁ、一般的な武器は全て使えるぞ?」

はぁ!?

「はぁ!?めちゃくちゃですね!?」

心の声が口に出てしまった・・・

「なんで徒手空拳を教えてるんですか?」

「それはなぁ・・・単純に徒手空拳が1番しっくり来たんだよ」

「しっくり・・・ですか?そんなに大事なんですか?」

俺的にはそんなに大事な事とは思わなかったが

「大事だな。しっくり来るという感覚は戦闘時のノリやモチベーションに直結すると言っても過言じゃない。

だからそのしっかり来る感覚を体験すると良い」

「ていうか、どんな武器が使えるんですか?」

「どんなって、ざっくり言うと刀・槍・矢に籠手とか様々だな」

「武芸百般ってやつですね・・・・

なら、槍などの長物の対処法を教えてください!」

「ああ、もちろんだ!

とりあえず、いつものメニューの後にするか!」


しくった〜!自分で地獄に進んでどーする??

くっそぉ〜!やったるわい!!



「さてと、槍の対処法だが、間合いを詰めるのが1番有効的だな。

突きや振り下ろし、薙ぎ払いを繰り出す前に、一気に詰めて叩く。

その為には機動力と度胸が必要だ。

だから実戦でやろう!」


おっと〜?実戦ですか・・・・まじですか


「槍は得物が長い分どうしても攻撃をする間に少しの時間が出てしまう。その少しの時間を利用し、一気に間合いを詰めれるように今から鬼ごっこをしようか!」


鬼ごっこ??実戦は??

何故に槍を持って恐ろしい殺気を出してるんですか!?


「始めるか〜」


ひぃ〜!

こわい、こわいこわい!

今、槍が頬を掠めたぞぉ!?

マジで実戦ですやん!


「ほらぁほらぁ!

そんなんじゃあ間合いに入れないぞ!

もっと速く足を出せ!」


ヤバい・・・身体が重くなってきた


「ただ一直線に逃げるつもりか!

もっと工夫しろ!

実戦でもそーやって動くのか!?」


「あぁ、くっそ!

なら、こーしてやる!」

谷口さんの動きを妨害する為にタイヤを召喚する

「甘い!」

横に避けられ呆気なく捕まってしまった。


「全然だな・・・もう1回だ!」




「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・

きゅ、休憩を下さい!」

あれからノンストップで2回も鬼ごっこしたが呆気なく捕まってしまった。


「そーだな、休憩するか!

スキルをただ使うのではなく考えて使った方がいいな!」


「考えて・・・ですか、タイヤですよ?」


タイヤって工夫すれば槍とかの武器に通用するのか?


しないよね?


そもそも武器でも無いよね??


残念そうな物を見るのをやめてくれ!


「その・・・すまん・・・頑張れ」


謝らないで!


泣きたくなる!




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