第2話

「あんた、ダラダラ1週間も過ごすつもりなん?良い加減なんか職探さないかんやろ!

ハローワーク行って仕事見つけんかったら家から追い出すけん!」


母ちゃんブチギレ案件・・・これはマズイ!

マジで追い出すな・・・貯金とか無いし、とりまハローワークで職探すことにするか


「パソコン検索に来ましたー。」


「10番でお願いします。」


検索、検索と


やっぱり建築関係と飲食店の店長と営業職が多いな〜全部無理なんだが?どーしろと?

詰んだな・・・

「ん?

探索者協会へトラックで納品をして貰います。

基本給:24万〜

残業代も入れると月30万は行ける!?

社会保険や雇用保険、年末調整も自社で行います。

必要なのは普通自動車免許のみ

学歴、経験は不要です。

ねぇ

バリ良くね?ここに応募すっか」


履歴書を書いて郵送して2日後に連絡がきた。

「明後日の20日の10時から本社にて面接をしたいと思っております。ご都合はいかがでしょうか。」

はやっ!?

「よろしくお願いいたします。」


面接当日


バリバリ緊張するな〜

受付の人は基本みんな美人だよなぁ〜とか思いながら

「面接に来た大村です。」

応接室に案内され、面接官が入ってきた。

「よろしくお願いします。

では、面接を始めます・・・

大村君が前職で頑張った事を教えて下さい」

「はい、私が前職で頑張ったのは〜」

—————————————————————

終わった〜!めちゃくちゃ緊張した〜

最後のあなたが前職を辞めた理由とか、絶対言えんやろ!クビとか泣きたい。

まぁ、後は結果待ちやな笑笑


「採用ですか!はい、25,26日に研修、27日から納品作業ですね。かしこまりました!」

よっしゃー!転職できたぁ!

母ちゃんに家追い出されんで済む!

さっそく報告、報告と!


「就職できた~

5日後に初出勤やーん」

「おぉ~よかったね~」

5日後までダラダラと食ちゃ寝の生活をしていたら、あっという間に5日後に・・・


「本日からお世話になる。大村 おおむら りつです。よろしくお願いします。」

「はい、よろしく~

大村君の教育係の池上です。

さっそくだけど、これから協会に行こうか

あ、探索協会のことね」

「よろしくお願いします。わかりました。」


「協会に着いたら、探索票を取って、スキルを習得してもらうね。」

ん?

「探索票ですか・・・えっとなぜですか?」

「あれ?聞いてないの?うちはダンジョンに入って自分で採取したり討伐したりしてそれをトラックに積んで協会に納品するっていう作業内容だよ」

なんじゃそらぁ!トラック要素ほぼ皆無やん!探索者がメインじゃねーかよ!?

そらぁ保険関係が完備されと~わけやわ

マジか~~

「そ、そーなんですねぇ~」

とか言っていたら協会に到着してしまった。


「それじゃ、受付番号ね

んじゃ探索票の登録とスキルを貰ったら車に来て~」

え?置いてけぼりなん?ここでぼっち?

番号は75番か、すぐ呼ばれるやろ~



呼ばれんくね?30分は経っとるぞ?まぁそのうち呼ばれるやろ?


1時間後――まだ?


さらに30分が経ってやっと

「75番の方~4番窓口にお願いします。」

やっとか~クッソ長かったな!


「探索票の登録とスキルを・・・」

「では、先に探索票からしますね。

氏名住所と緊急連絡先をこちらの用紙に書いてください。」

緊急連絡先は母ちゃんにしてと・・・

「確認しますねぇ~

はい、ではスキルなんですけど2階の窓口にお願いします。」

スキルねぇ~どんなの当たるんやろ?魔法系とか夢あるよなぁ~


ここでスキル習得について――スキルペーパーと呼ばれるものに血を垂らすことで習得ができるというダンジョンで見つかった不思議なやつ。また、スキル名と効果が記されたステータスが見えるようになり、他人に表示と非表示機能が付くといった優れもの


2階に移動し、窓口に向かう

「スキルを習得しに来たんですけど・・・」

「はい。

では、こちらに血を垂らしてください。

効果はダブルタップで見れます。」

痛いの嫌なんですけどぉ~~

チクッと刺し、垂らす。


魔法系出ろ!出ろ!出ろ!と祈りながら目を閉じた。

シュウ~という音が聞こえ目を開けると


———————————————————

【スキル】

タイヤ LV.1

———————————————————

・・・ん?ん?

タイヤ??

どゆこと?

ダンジョンでタイヤ転がしろってか?意味不明すぎる・・・

はぁ~~

効果見てみるか・・・


———————————————————――

【スキル】

タイヤLV.1 

――ホイールの素材とタイヤの大きさが選べる

———————————————————――

詰んだくね?

モンスター倒せんくね?

え?これで納品できるん?

うわぁ・・・・池上さんに言いたくねぇし、車戻りたくねぇし最悪やん


「しゅ、習得できましたー。」

「では、これから頑張ってください。」


内心泣きながら車に戻る・・・

「終わりましたー」


「はーい

お疲れさん。

会社に帰って昼飯食べてダンジョンに関する事を話そうか」

「わかりました。」


車に揺られながら、夢っていうオチじゃなよね?とか考えながら太ももを強くつねる


いたい・・・



夢じゃなかったよ!!



こんちくしょう!









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