after クリアサーチオブジェクト編£
扉を開くと突然透の目の前に永原が現れた。
「ひゃっ」
永原は変な声をあげた。
突然のことに透も一瞬体を震わせた。
「ごめんなさい大きな声を出してしまって、神座さん、体調は大丈夫なんですか?」
「数箇所が少し病むぐらいだ、別に気にするほどのことじゃない。それより永原こそ大丈夫か?昨日の地下駐車場で魔法の解体に永原の脳も借りていたけど」
「確かにそうでしたね、今これと言って痛みはありません。ですからおそらく大丈夫ですよ」
「だが念の為あとで雫に検査してもらうといい」
「そういえば雫さんは?・・・・」
彼女の問いに答えるように透はリビングに降りるための階段の中腹あたりに立ち、そこから見えるリビングのソファアに横になった雫の方に視線を向けた。
「今は下のソファアで寝てる、昨日の爆弾の件で相当な大きな魔法を使用したらしくて脳に負荷がかかってる。今は静かに寝かしてあげよう」
「ですが心配ですね、脳に負荷がかかっているだなんて」
そう言って彼女は心配と申し訳なさが混じったような表情を浮かべた。
「そんなに心配しなくて大丈夫だ、永原が思っているほど深刻じゃない、何なら魔法を使う者なら誰もが経験している。それに脳に負荷がかかっている人自身は頭痛と似たような痛みを感じているだけだからな」
「そうなんですか」
だが彼女の表情は先ほどのものからあまり変わらなかった。
透は一階へと降りた。
そしてそのまま雫のいる方へと近づいていく。
永原も彼に後を追ってリビングに向かった。
透は彼女のそばに行くと雫の体が乗ったソファアに邪魔にならないように腰を下ろして優しく彼女のおでこを撫でた。
その光景を少し離れたところで永原は見ている。
しばらくすると透は彼女のおでこあたりに手を当てて魔法を発動させた。
すると彼女の表情から険しさのようなものが抜けた。
それを確かめて透は雫のそばから離れてリビングのテーブルの椅子に座った。
「明日から学校ですが大丈夫でしょうか?」
「問題はないと思うがもしもの時は雫は休ませる」
「そうですね。教室が違うのでできることなら登校は一緒にしたいですが」
「教室が違うって誰とだ?」
「御二人と、ですが・・・・だって御二人ともは魔法が使えるDS式で私は使えないU式、教室だけでなく校舎も違うのでなかなか会えなそうですし」
「一緒だぞ」
「え?それはどういうことでしょうか・・・・」
「永原も俺たちと同じU式のクラスってことだ」
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