クリアサーチオブジェクト編Ⅵ

「3階の一般フロアは異常なしよ、今から会議室等の関係者エリアに入るわ」

「雫気をつけろ、逃走した姿は見たが戻ってきている可能性がゼロなわけじゃない」

「わかった」

「永原です、転移地点を発見しました」

「わかったすぐに向かう。宮浦、永原の現在地を送ってくれ」

「・・・・送った、面倒だから全員分な」

「ありがとう」


透の持つデバイスに映った地図上に3人の現在地を知らせる3つの点が出ていた。


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「どこだ永原?」

「こっちです」


永原は地下駐車場の太い柱の近くに立ち大きく手を振って自分の居場所を知らせている。


「ここです、この柱の根本。たくさんの粒子が集まっています」

「確かに、よくやった」


そう言って魔法を発動させて仕掛けられていた転移魔法を破壊した。


「宮浦、永原が集めたデータで残留魔法計測器が反応した箇所はあったか?」

「二箇所だな、位置はお前のデバイスに送っといたよ」

「助かる」


マップに表示された2つの印のうち一つは二人の近くのもう一つの柱付近、もう一つは二人のいる空間の奥にあると表示されていた。


「まずはこれか、さっきのと同じ転移魔法だな」


そう言って透は近くの一つを排除した。

二人はさらに奥へと進んでいく。


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「これは・・・・厄介だな」

「どうしたんですか?」

「わかるから?ここに魔法の痕跡があるのが」

「はい、他の場所より残留している粒子の量が多いのでわかります。でも少し、多すぎるような・・・・」

「そう、ここにはに二つの魔法がかけられている。一つは永原の考えている通り転移魔法だ、もう一つはこのビルを支えている柱を強化している魔法。ここで俺がさっきみたいに魔法を破壊したらどうなると思う?」

「どうならか?ですか・・・・」


雫は目の前にあるが見ることのできない魔法のある方を見つめて考え込む。

そこに宮浦が半分程諦めたような声で言った。


「この建物が崩壊する」

「崩壊ですか!」

「魔法を破壊する時に、複数の魔法が重複している中から一つのものだけを破壊するというのは無理なんだ。だから俺が転移魔法を破壊しようとするとこのビルの柱を強化している魔法も破壊されて建物は崩壊するってことだ」

「そんな!なにか他に方法はないんですか⁈」

「・・・・」


永原の質問に透が悩んでいると雫から通信が入った。


「爆弾、見つけたわよ」

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