クリアサーチオブジェクト編Ⅳ
透は次に2階を捜索しに行こうと思ったが爆弾を仕掛けたと思われる人物がいたこの第四会議室が気になり一通り捜索を行ってから階を降りることにした。
室内にこれと言って怪しいものなどがあるわけではない。ただ残留しているUQ粒子の濃度がこい、これはこの場において何らかの魔法が使用されたことを示している。
少し考え、この部屋の中でも特に残留粒子の濃度が濃い部屋の左端で透は魔法を使用した。
「・・・・宮浦、ここに爆発物が置かれていたのは確からしい」
「なんでそんなことがわかるんだ?」
「今この空間にある残留粒子から情報を逆算して読み取った、思った通り対DS式の爆弾を使用するときに必要な魔法を使用した痕跡があった」
「そんなことまでできるのか、あの時本気でやりあっていたらと思うと肝が冷える」
「それより伝えることがもう一つある、爆弾を起動する魔法にはもう一つ、転移魔法も付け加えられていた」
「それって爆弾が移動するってことか!」
「そうだ、あらかじめ指定された地点をランダムに移動するようだ。さっきの爆弾犯もこの移動地点の魔法を設置しに来たんだろう」
「どうする?爆弾が移動するんだと見つけるのが困難なうえに一度調べた場所にも移動するってことだろ?」
「いやそれはない、見つけた転移先の魔法は俺が破壊する。だが宮浦の言う通り人では多いほうがいい、捜索の応援を頼む」
「わかった、透の方は引き続き捜索を頼む」
「了解した」
通信が終わると透は残留粒子の濃度が濃い場所に手を伸ばして魔法を発動させた。すると一瞬その空間に波動のようなものが見えた。
魔法の解除が完了して透が一息つくとポケットのデバイスから着信を知らせる音がなった。
「もしもし?」
「ちょっとどこいるの?もう買い物終わって30分くらい透のこと探してるんだけど!」
雫は透がいきなりいなくなったことにご立腹のようだ。
「すまない、少し用事が入ったから2人は先に帰っててくれ、終わったら」
「どうせ軍の用事でしょ、私達も手伝うわ。終わったらすぐに帰るって言おうとしたんだろうけど遅くなりそうだし」
「わ、私も手伝います。これから家に住まわせていただくんですからお手伝いぐらいはさせてください」
「・・・・わかった、じゃあ3階のエスカレーター付近で待っててくれ」
「わかった」
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