入学式襲撃編Ⅱ
「ここからは敵の警戒が厳しそうだ、俺は先に行くから雫と永原は後ろを警戒しながら来てくれ」
「わかりました」
校舎の入り口には覆面をつけた人物たちが数十人立っている。
透は数十人と自分自身の間に魔法で透明な障壁を造ってから彼らの前に飛び出した。
「侵入者だ捕えろ、最悪殺してもかまわん!」
後方にいた一人の指示で他全員が一気に魔法を透に向けて放った。
もちろんそれら全ては透明の障壁にぶつかった瞬間に消滅した。
「何をしている、しっかりと当てろ!」
「は、はい」
「何だあれは・・・・」
空に向けて銃の形にかまえた手を透が数十人の覆面に向けて振り下ろすと障壁をまたいだ彼らの目の前に小さな黒い球体が現れた。
透が銃の形にした手を発砲したかのように動かすと黒い球体は爆発を起こした。
テロリストは何かを言う暇なく消え、小さな爆発の音だけが響いた。
「うっ・・・・」
美織は血が飛び散った入り口の光景を見て口に手を当てた。
雫は俯いた彼女の背中を優しくさすった。
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「もう良くなった?」
「・・・・はい、ありがとうございます」
「すまない、もう少し気を使うべきだった」
「気にしないでください、それより今は先に」
「そうね、進みましょう」
先ほどと同様に透を先頭に進んでいく、2階に上がる階段の手前で動きが止まった。
先頭から透が美織の近へとやってきた。
「ここから先は雫の助けも必要になる、その時に永原が狙われる可能性は十分にある。その時は自分自身で身を守ってもらう」
「えっ、私そんなきとできませんよ。魔法も使えませんしって、ひゃっ・・・・」
透は自身の頭を永原の頭に当てた、それによって永原は変な声をあげて顔を赤く染めた。
魔法とは空間上に存在しているUQ粒子に干渉して事象を改変する力のことをいう。
U式は魔法が使えないのではなく、この空間上に存在するUQ粒子の存在を認識する能力がないのだ。
この能力の有無は本来その者の出生児にすでに決まっている、だが・・・・。
二人の頭は離れた。
「これで使える」
「つ、使えますか!あっ、何をでしょうか?」
いきなり顔を近づけられて動揺している永原の口から出てくる言葉はおかしいが、透は落ち着いた声でそれに応えた。
「魔法だ」
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