入学式襲撃編Ⅰ
「殺してしまったんですか⁉︎」
「違うわ、ただ気絶させただけよ。それより貴方大丈夫?名前は?」
「な、名前は永原美織と言います怪我をする前に助けていただきありがとうございました」
長い黒髪で黒い目の永原は丁寧に頭を下げた。
透は気絶させた覆面たちを拘束してから二人の方に行った。
「俺は神座透、美織は今この高校で何が起きているのか知ってるのか?」
「詳しいことは知らないんですが・・・・先ほどトイレからでて教室に向かおうと校舎の入り口に行くと、そこには銃を持った人たちがいました。その人たちに気づかれた私は急いで逃げたんですが追いつかれてしまい・・・・今に至ります」
「そうか」
透が拘束した覆面たちの服から隠し持っていた銃など、いくつかのものを取り出して地面に並べた。
「式典開場前、現状報告を求む」
通信用デバイスから覆面の仲間らしき人物の声が聞こえた。
「ああ、こちらは問題ない。何かあれば報告する」
「了解した」
透は通信に返答して電源を切った。
そしてすぐに魔法を周囲に展開して索敵を行うと今度は透自身の通信デバイスの着信音が鳴った。
「水島です、現在一般魔法高校にて反U式派のテロ組織が立てこもり事件を起こしています。今連絡がつながっていると言うことは神座君がまだ拘束されていないと言こと?それとも今学校にはいないと言うこと?」
「前者です、先ほどテロ組織の人間と思われる二名を確保したところです。U式の一般人を一名保護しているので現状でわかっている情報をもらえますか?」
「わかりました。今から十分前に発表された犯行声明で彼らは ホット と名乗っていました」
「彼らからの要求などは?」
「現在のU式国会議員を全員解職させることです」
「そんな不可能な・・・・」
「ええ、ですので神座君に上から任務がかされました、目的はテロ組織の壊滅です」
「承知しました、では」
本来なら新入生の声で騒がしいこの場は現在誰一人の声聞こえない。
「これからどうするの?」
「俺は今からテロリストのところに行く、雫は永原のことを安全なところに連れて行ったら俺のところに来てくれ」
「ちょ、ちょっと待ってください。私はただのU式です、こんなところでまたさっきみたいに襲われたら・・・・」
先ほどの恐怖を覚える記憶を思い出して体を震わせる永原の背中をを雫が優しく撫でる。
「私も美織のことは連れて言いた方がいいと思うの。彼女は私が守るから」
「わかった」
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