第9話

その後も白川の数学教室は続きテスト当日には、それなりの出来に仕上がっていた。

それはテストを解いても自分の中では、以前よりもかなり出来が良い方だと分かるほどだった。

テストの点数は数学の平均が6割に対し俺は8割と自分史上かなりよく、白川の9割には届かなかったが、勉強の結果が出て満足だ。白川の教え方も上手かったし、とにかく感謝だな。放課後にでも伝えておこう

テキトーなホームルームを終え放課後、


「さて、帰りますかね。」

その前に白川はと、あーいたいた

「白川、数学8割行ってたよ。ありがとう、何か自分でも驚いた。」

「40位からの成長なら大したもんだね。とりあえず良かったよ。」

と談笑していると先生が教室に入ってくる。

「坪井は今回のテストよく頑張ってたな、まぁ白川はいつも通りだな。とりあえずお疲れさん。はよ帰れよ。」

「あざす」と俺は一言そえると、先生はそそくさと何かを教室の後ろに貼って出ていった。

「坪井くんクラストップ10入ってるじゃん!」

え、マジか。

表を見ると滑り込みタイで10位に入っていた。白川はクラス4位だ。

「うわホントや…白川のおかげだな。そして4位か凄いな」

「まぁ特に数学はこっちも勉強になったし、取り敢えず良かったよ。にしても滑り込みとは言え入ったもんは入ってるからね凄いよ。やっぱ私、教えるの上手いね。」

ったくすぐ調子乗るし…

「えぇーそこでそれ?でも冗談抜きでホントにありがとう。まさか一回でも上位に入れるとはね。思ってもなかったよ。」

「実際に当の本人も頑張ってたし、何はともあれお疲れ様。」

勉強した甲斐があったもんだなぁ。これからもそれなりに頑張ろうう。

「これからもそれなりに頑張るとするよ」

さてと、そろそろ帰るか。

「じゃあとりあえず帰ろうか。」

一応トップ10に入れたんだなぁ。と、しみじみ感じる


「うん、どこか寄っていく?」

「そーだな今日は暇だね。テストも終わったし金曜日だし、ちょっと寄り道しようかな」

さてと、どこに行こうかって…今更だけど何気に端から見たらデート…なのか?

何だか意識すると緊張するな。

「じゃあ、駅の近くで適当に探そうか」

駅近くなら大型ショップモールもあるしそこでいいか。

「ん、そうだね、じゃあそこにしようか。」

そうして歩きながら駄弁っているわけだが


「そういえばだけど修学旅行楽しみじゃない?」

あーそういや、夏休み明けは修学旅行だな、行き先は京都だったっけか。

「京都ね~まぁ近場だし修学旅行の距離かは微妙だけど、その分他の所にお金使ってくれてるって親父から聞いてるよ。白川は京都好き?」

「そうだねー結構好きかな。近いから行ったことはあるけど、ちゃんと観光したことは覚えてる範囲だと無いかな、坪井君は京都で楽しみとかはある?」

「俺は和食が好きだからご飯楽しみだけど、修学旅行でそんな期待はしたらダメよなぁ」

うーん、自分で言っておきながら残念…。

「花より団子。」

「ええいうるさい!美味しいじゃろぉ?和食!」

「そりゃそうだけど、坪井君の事だから嵐山が~とか伏見稲荷が~とか言うんだと思ってた。」

あーそういうのはですね


「…たまに休日に1人で行ってますぅー何か文句ありますか。」

ゲッと無言で顔を引き吊らせた白川の顔にはマジで1人なの?書いてある。

「そうだよ、1人だよ」

「えぇー…いや良いと思うけどさ。」

「友達が少ないんですわ!言わせんな!」

ですよねーと言うような雰囲気を感じるがスルーする。

まぁ別に1人が好きなのもあるし…別に寂しくねぇし。

「ま、まぁ居ない事は無いんでしょ?」

そりゃそうだけども


「高校入ってから仲いい奴とは全員離れてね。」

「…あー確かにあんまり坪井君は誰かと固定で話してる所見たこと無いかも。」

白川は不思議そうな顔をしているがそこに俺の心が痛くなる事実を突きつける。

「残念、白川除いて友達は学校には2人しか居ません。」

えぇーっと白川に反応される。

「うるせぇやい!白川も友達居ねぇだろ!」

「そりゃ少ないけど5人くらいは居るよ。」

嘘だろ白川に複数人も友達?いやいや、まさかご冗談を


「その目はまた失礼なこと思ってるよねっ!」

つまさきをぐりぃっと踏まれ変な声が漏れる。

「痛い!心と体!どっちも痛い!」

ひー怖い怖い…


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