二話 言葉は僕らと生きてきた

 言葉は僕らと生きてきた。

 僕はそう考える。だってそうだろう?

 国や時代の違いによって僕らが言葉に必要とすることも変わってきた。

 必要な情報を伝えることを重視して英語が、感情を伝えることを耳馴染みを重視してラテン語が、情緒を噛み締めるために日本語が進化してきた。変化はしてきたのだ。

 言葉の違いは僕ら、それを使う人間の違いによって生まれたのだ。

 だから、言葉は僕らと生きてきた。

 それに、言葉に助けられてばかりの僕らだが、僕らが歴史を、知恵を、想いを伝えようとするから言葉は文字として在り続ける。生き続ける。僕らと言葉は互いに互いを必要としている。

 そう、言葉は僕らと生きてきた。

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