僕らは言葉で生きている

久繰 廻

一話 君は言葉は好きかい?

   君は言葉は好きかい?

 僕はもちろん好きさ。じゃなきゃ文字にしていない。

 これは、言葉とともに生きてきた、生かされてきた僕から君にバトンを渡す、そういう話。


 その前に、まずは君に言葉を好きになって欲しい。

 君は言葉ときいて何が浮かぶかい?

文学?それとも会話かな?

 どちらも言葉の上に成り立っていて、僕らの日常を彩ってくれるものだろう?

 それらが無い生活なんてあまりに味気ない。つまらない。

 これだけで、言葉を好きになるには十分だろう?

 それに、言葉は残る。

 Twitter(今はXだったかな) が無い時代の平安の貴族の"をかし"が今の僕らに届いてる。

 それはなぜかって?

 言葉の本質は変わらない。少しくらい意味が変わったところで、言葉は思いの乗せ物だから。だから、届く。

 言葉に乗せた思いは永遠だ。少なくとも、僕ら自身よりずっと長く残る。

 だから、僕は言葉が好きだ。

  人は永遠を夢見る生き物だから。

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