連休終わっちゃうねえ

 あの後サービスエリアで私の奢りで友達夫婦にうまいもん食わせてお土産もっさり持たせて、無事帰宅してます。サービスエリア出てから家に着くまで後ろでずーーーーーっと寝てた。疲れた。ていうかやっぱずっと漫然と眠いんだよなあ。友達夫婦の方が疲れたと思うけど、二人とも親御さんが都会育ちで田舎という概念が無い夫婦だから久々の地方への長距離旅行で結構楽しんでた、らしい。あいつらずっと風呂入ってたな。まあまた色々一段落ついたらびっくりドンキーにでも連れて行きます。

 早朝に帰宅したら居間に無理矢理布団敷いて母とおばさんがウルトラと一緒に寝てた。女子高生か。急に一泊延長したから不安にさせちゃったなあ。母もおばさんも気にすんなって言ってくれたけど、ウルトラがちょっとご機嫌斜めです。よしよしよしよし。


 初日の昼頃にあっちに着いて、りゅうたろうが奥さんと一緒に出迎えてくれたまではまだ良かったんだよ。

 夕飯食いながらりゅうと話した。

 友達夫婦、気付いたらりゅうの子供達と仲良くなってて一緒に皿洗いするわ気付いたら別の部屋でずっとウノやってるわで大騒ぎだったのよ。

 私は最初居間でビール飲みながらりゅうと話してたんだけど、夕飯食い終わった位の時間に、雄一おじさんとこの従兄弟が来たんだよな。こっちの従兄弟の名前はいちろー。市郎。久々に会ったらめっちゃ顔色悪くてガリガリになってた。最後に会ったの啓二おじさんの葬式ん時だったからな。

 そんでいちろーは私とりゅうの話を聞いてるんだけど、兎に角静かなんだよな。

 聞いたら病気で休職してんだよ、って。そんなら無理してこなくていいよ、奥さんに迎えに来て貰えよ、って言ったんだけど、りゅうが「いいよ、泊まっていけば」って引き止めた。

 りゅうにはとりあえず父の日記見せた。日記読んでるりゅうに、父が遺言書作ってるらしいんだけど、この家はもうりゅうたろうさんの名義なんだよな?って事を何度も確認した。なんなら登記簿見たいんだよね、この家にもう父の痕跡は一切ないよな?もう父の私物なんて一切ないよな?って何度も聞いた。りゅうは適当に相槌打ってたけど、不意に手を止めて、蔵になんかあるかも、っていきなり言い出したんだよな。そこになければありません、ってひゃっきんの店員かよ。

「そもそもおじさんの財産はおまえんとこの兄妹3人が全部正当に相続するものであって、こっちには関係ないだろ、それこそ遺言書になんか書いてない限りは」

 いちろーがぼそっとそう言った。

 でももしこっちになんか痕跡が残ってると後々めんどいだろ。だから確認に来たんだよ。あと日記の謎も解きたいんだよ、って答えた。

「遺言書はいつ開封すんの?」

 そう聞かれて来週末、って答えた。内容如何によってはまたこっちに来るかもしれないけど、多分大丈夫、って言ったけど、めんどくさい内容だったら困るなあ、やっぱりこないだカワフチさん家で開けとけば良かったかもなあ、ってちょっと後悔した。

「今から蔵に入ってみる?」ってりゅうに聞かれて、もう夜9時近いですけど?って思ったけど、明日は寺に行く予定だから仕方なく同意した。埃っぽいからマスクした方がいいよ、って言われて素直に従った。いちろーにもマスク一枚あげて、三人で外に出た。

「多分そっちのおじさんは上京する時に自分の私物はほとんど東京に持って行ってるか処分してるかでこっちにはあんまり物を残してなかった、ってうちの親父が」

 りゅうはそう言いながら蔵の鍵開けてくれた。

 蔵って言っても結構綺麗でさ、ただの物置って感じだったな。りゅうは自分の家族の私物は家の使ってない部屋を物置にしてて、こっちの蔵には先祖の色々なもんが置いてある、でも大分整理したから大したものはないはずだよ、ってさ。

 古い、誰が書いたかわからん達筆な日記とかあったけど達筆過ぎて読めなかった。

 うちの父の痕跡はほぼ無かった。

「多分おじさんの私物、これくらいじゃないの」って手渡されたのが、小学校の時の文集と写真?で、デパートの紙袋ひとつに収まる程度の物だった。

 持って帰っていい?って聞いたらいいよ、っていうから引き取った。


 今日はここまで。


 

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