第23話

あの後、妹達イリス シャリーをマリージョとフリージアに任せ


ミリーにも休憩を言い渡す


決してミリーの[オハナシ]が怖い訳じゃないよ




【嘘じゃ!!】ホントダヨ、ケインウソツカナイ


一人になり、屋敷をうろうろしてると、何処からか甘い匂いがする


匂いを辿って行くと、出所は厨房からの様だ。


さっきお茶会でお菓子を食べたけど、甘いものは別腹だしね




女子おなご見たいな事を言うのう】


いや、男だって好きな人いるよ


【ワシは鳥ササミが好きじゃ】


筋肉神かみさまの好み何て聞いてないよ、誰も


【そんな事はないはず、、じゃろ】




ちょっとペラハコに、味見でもさせてもらおう♪


そう思い、早足で厨房に向かう



厨房に着き中を除いて見ると、何点かのお菓子類を前に、何やら神妙な面持ちで話し合いをしているペラハコ達。



何を話しているのか気になり


「ペラハコ、料理人達皆で何を話してるの?」



ペラハコが僕の言葉で気付き


「ああ、ケイン坊ちゃん。厨房に何か用事でもあるんですか?」


「いや、甘い匂いを辿って来たら此処に着いたんだ」


「そうでしたか」


「うん、それでペラハコ達は真剣な顔して何を話してたの?」



ペラハコ達はお互い顔を見合わせて、話をして良いものか?そんな顔をしてる



僕の視線が、お菓子に釘付けなのを見たペラハコが


「ケイン坊ちゃんの意見も聞きたいので、味見するかい」


「良いの、じゃあ早速」


「ああ、構わないですよ。ただ、、、」


「ただ、何?」




少し間を置きペラハコが


「夏のお祭りにヴァスト家から出す商品に関して、ケイン坊ちゃんにも聞こうかと」


「それは別に良いけど、あまり僕に期待はしないでね」


「あくまで意見が欲しいだけなんで」


ふーんそっか


「それで、聞きたい事があれば聞くよ」


「聞きたいのは菓子関係になるのですが」


「あーなるほど。だから、こんなにもお菓子が並んでいるのか」


「そうです」


「じゃあ、味見してもいい」


「どうぞ、感想をお願いします」




一つ一つゆっくり味わいながら味見をする。うん、どれも美味しいが、『ジー』っと料理人達に見られながらだと食べづらい。



すると、僕が味見を終えたのを確認したペラハコが


「どうですか、ケイン坊ちゃん」


「全部美味しいよ」


「そうですか、それでしたら」


「、、、でもね」


「何か、まずい事でもありましたか?」


「いや、味は確かに美味しいけど、お祭りにだす商品としては駄目だよね」



そう、味は確かに美味しいんだけど、お祭りとなるとお手軽に食べれないと


ペラハコ達も、わかっていたのか『そうですよね』そんな感じな顔をしてる


それから暫く、僕を含め話し合いをしているが中々商品が決まらない





そんな中、ああそういえば前世でお祭りに行った時、良く[お父さん]に[かき氷]や焼き、、、


『それだっ!!』


突然、僕が大声を出したので皆一斉に僕を見る




それよりも


「ペラハコ聞いても良い?」


「ええ、何か思いついたんですか」


「氷菓子があるじゃん」


「ええありますが、それを?」


「そうじゃなくて、[氷]だけ削って器に入れれば良いんじゃない」


「それだと、味がないんじゃ」


「それで、その上から果物の甘いソースを作ってかければ」


「、、、、なるほど」


他の料理人達も、それなら手間暇かからず良いのでは意見が纏まりはじめる






そうだよね、今まで氷菓子[アイス]はデザートで出て来たけど、[かき氷]は見たこと無かったんだよね。




御先祖様ローレンスは作らなかったのかな【それなのじゃが】


ああ筋肉神かみさま出てきたのね


【うむ、それでのローレンスの奴は[氷菓子=アイス]しか考えていなかったものでの】


それだと、まさかっ!!


【おめでとうケインよ、[かき氷]は、お主がこの世界で初めて考案した事になるの】


マジッ!!【マジじゃ。良かったの】


いや前世ズルの知識だし【そうじゃが、別によいのじゃ】


いいんだ【それではの】







「ケイン坊ちゃん、いやぁー良かった」


ペラハコに声を掛けられる


「決まったのペラハコ」


「おう、ケイン坊ちゃんの意見を採用させてもらう事になったぜ」


「良かった」


「それでだな、ケイン坊ちゃん」


「他に何かあったっけ?」


「いやいや商品名ですよ」


「商品名、、、僕が付けるの」


いいのかな?


「そりゃあ、ケイン坊ちゃんが考えたんだから当然でしょう」


他料理人達も頷く



前世ズルの知識を使っただけなので、本当に僕が名前を付けて良いのか考える。


ペラハコ達は『素敵な』商品名を考えていると勘違いをしている





「決まりましたか?」


ペラハコが僕に問いかける




筋肉神かみさまどうしよう


【そこまで深く考えずともよい】わかったよ




さて、少し名前を変えた方が良いのかでも、、、





[お父さん]との思い出をは壊したくない


よし




「ペラハコ決まったよ」


「それで、どんな名前ですか」


「うん、色々考えたけどシンプルに[かき氷]なんてどうかな」


どうだろう、皆の反応を見る


「わかりやすく良い名前だと思います」




ペラハコは他の皆に


「お前らもそう思うだろ」


そう言う。集まっている皆も


「そうですね」 「わかりやすいのが一番ですし」


そんな事を言ってる







こうして今年の夏祭に僕の考案した


[かき氷]が売られる事になる



















~後書きみたいなもの~


アイスはあるのになんでかき氷を誰も思い付かなかったのかは、ご都合主義という事で


オネガイユルシテ

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