第2話
~ 3年前 ケイン5歳 ~
この日のヴァスト家は家臣含め皆ソワソワしている
その原因は今現在母ソフィーが出産という大仕事中だからである
「まだなのか」と、これで何回目なのかも解らなくなる程執事のシルバにしつこく聞いているのがヴァスト家当主である父ガラム
「旦那様、何度も申し上げますがもうもう暫くお待ちください」(このやり取り21回目ですぞと小声で言うシルバ)え、数えていたの家の執事スゲー
それから数時間たち本来であれば、もう産まれてもおかしくはない時間であるのにもかかわらず、まだ報告がこないので漠然とした不安に襲われる
「父上、もしかして母上のお身体に何かあったのでしょうか」そう問い掛けると
「ウーム」と、いてもたってもいられなくなったその時
バタバタと足音が聞こえてくる、そして何時もならノックをするのだがノックせずに執務室のドアを《バタン》と、勢いよく開けるメイドのミリー
それをやんわりと「ミリー、ノックを忘れていますよ」そう注意するシルバ
「ソフィーに何かあったのか」
父上が今にも母上の所へ向かいそうになったのを遮るかのようにミリーが息を整えながら
「お産まれになりました、奥様のお身体もご無事です」
緊張が走っていた執務室の空気が一気にとける
「何かあったかと思ったぞ」
そう父上が言うと、「申し訳ございません、急いでお伝えしようと思いまして」
そう語るミリー、緊張がとけて余裕が出来たのでミリーに対してちょっとした悪戯心があらわれる
「父上、急いでいようとも執務室に入るのであればノックは必要なのでは」
そう僕が父上に言うと《やっちまったー》みたいな顔で顔を青くするミリー
「確かにそうだな」と、言う父上
フムどうしたものかと、本気で考え出してしまった父上に対して
『あっ、やば』このままではホントに何かしら罰が与えられてしまうかもヤベー
慌てて何とかフォローしないと思い考えていたその時シルバが
「それであれば、最近庭師の方から体調を崩して休み取っている者がが2名いるようで、仕事の進みが遅くなっているそうです」
そんな事を言い出す
あーこれはダメみたいですね『スマン、ミリー』心の中で謝りつつミリーを見ると、顔色は悪いままだが頬をプクーと膨らめさせて
『私、怒っています』そんな感じの顔でこちらを見てる、流石に申し訳ないので後で僕に出来る範囲の事なら願いを叶えてあげよう
結果、ミリーへの罰は3日間庭師のお手伝い(まあ殆ど雑草毟り)に決まった ヤッタネ
いやホントにゴメンねミリー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます