第24話
時が経つのは早いものである。
星が東京へ撮影に来てると連絡をもらってから金曜日になるまでソワソワしていた。
ドタキャンされたらどうしよう。
可愛くないと思われたらどうしよう。
といろいろな不安に押しつぶされそうになりながら金曜日は無事にきた。
星があえて『昼間』を選んでくれた意味を十分に理解していたので、とびきり美味しいランチが食べられるお店を選んだ。
県外から東京を尋ねてくれる星のためにまどかができる最高級のおもてなしである。
まどかはオシャレな雰囲気のお店も候補に入れたが、何か違う気がしてカジュアルに美味しいハンバーグが食べられるところをチョイスした。
星もハンバーグは好きなようでサクッとお店は決まった。
さあ、服装である。
綺麗めで行くか!普段通りカジュアルな装いで行くか悩みに悩んだ結果。
カジュアルなワンピースという、なんとも可愛いところを攻めたい女の子の心が垣間見れた。
カジュアルなワンピースは紺色を選んだ。
「白いと着膨れるし、黒だとお葬式みたいだし」と何やら独り言を呟きながら紺色のロングワンピースを着る。
恋する乙女はいつの時代も可愛いものである。
恋をするそれだけで可愛い!
さすが世の女子をキュンキュンさせているだけのことはある。
まどかは今、世の中で1番自分がキュンキュンしているのではないか?
と錯覚していた。
自分の書いた歌詞に気持ちを乗せることはなかったが、今恋する歌詞の一つや二つポンポン生まれそうである。
待ち合わせはお互いの安全を考慮して
11時半にハチ公前!
ざっくりとしか伝えなかったが無事逢えるのだろうか?
と思っていた。
が、しかしそこには星がいた。
もしや違ったら?と思った!
思ったが伝えてもらっていた服装で立っている星がそこにはいた。
いろいろな意味でクラクラする。
緊張と言ったらそれまでの感情だが、今までやりとりしていた話が走馬灯のように駆け巡る。
恐る恐る、
「すみません。こんにちは。しょうくんですか?」
ここまで来るまでに紆余曲折あった。
一度は離れたと思った2人の距離がまた繋がり、こうやって逢えることになった。
「あ!はい!」
と星らしき人が答えるところから
2人の出会いは今にやっと繋がった。
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