第23話

星がいろいろ思い悩んでいた頃まどかは…




仕事に邁進していた。

まどかの歌詞は世の中の女性の胸をキュンキュンさせるらしく好評だった。



まどかが今まで経験してきたことをベースに歌詞を書いていた。



文字が好きでやりとりが好きなことも本当ではあるが、世の中の女性がどんな恋愛観を持っているのか知るためにトークアプリをやっているところもあった。




まどかが歌詞の世界に思いを馳せている時に星から連絡がきた。



来週のどこかで逢いたい?



内心びっくりした。



東京に来ることもあるだろうとは思っていた。

しかし、星の方から逢いたいと言われるとは思ってもいなかった。



正直迷った。


逢うべきか断るべきか。





まどかは断ったら仕返ししてるみたいじゃんと明るく返した。




本当にこれで断ったら仕返ししているみたいである。



逢うべきか逢わないべきかまどかは人知れず悩んだ。



そして、逢うことを決めた。

誰にも相談することなくひとりで。




来週のお昼指定だったので、『金曜日』にしてもらった。



週末でもよかったがなんとなく撮影が入っていそうな気がしたのでまどかなりの気遣いであった。





逢うと決まれば何着て行こう?

と悩むのが女子である。



オシャレもしたい

でも気合い入れてきたな!って思われたくない



というなんとも乙女な悩みに悩んでいた。




まどかは職業柄、フットワークは軽かった。

本当は断ってやろうかと思ったが




断られることでどれだけ傷つくかまどかは痛いほどわかっていた。




仕事がきっかけであるとしても自分に逢おうと時間を作ってくれる星の気持ちが素直に嬉しかった。




星の逢いたくないからなぜ『逢いたい』に気持ちが変化したのか謎ではあったがそこは触れないでいた。




みんな自分が1番可愛いのである。

自分が傷つきそうになったら自分を守る。

自分を守れるのは自分だけなのだから当たり前のことである。




星も星自身が傷つきそうになったら自分自身を守った。


まどかも傷つきたくなかったら自分を守る選択をしてもいいのだろう。

しかし、まどかは『逢う』という選択をした。





勇気を出して声をかけてくれた星の心を守ったのである。



まどかは星の心を守りつつ、自分の心も守ったのかもしれない。



もしも、今勇気を出してくれた星の気持ちを無下にしたら、もう2度と2人の気持ちは交錯することがないような気がしていた。




お互いがお互いを思いやり、逢うこととなった2人だが



来週の金曜日、無事に2人は逢えるのであろうか?



運命の針は動き出したのである。



一瞬止まったように見えた運命の針が動き出した。



さあ、これからどうなる。


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