第18話

ついに星に逢いたいと送ったまどか。



星の答えは




『ごめん、逢えない』




であった。




まどかは絶句したが、




『そうだよね、ごめんね』



と謝ることしかできなかった。




それから星とはなんとなく連絡を控えるようになった。



トークアプリも再開した。



『はじめまして』から始まるこの感覚。



星のことを忘れたかった。



忘れさせてくれるのなら誰でもよかったわけではないけれど、気が晴れるならそれでよかった。




なんとなく連絡を控えるようになったまどかと星。



心の距離があいてしまった。



なぜ、星は『逢うことを拒んだ』のか。




星には星なりの理由があった。

それは理由があるから拒むのである。



逢いたくないわけではなかった。

ただ自分に自信がなかったのである。




なんとなくまどかに連絡しづらくてなってしまい、連絡しないでいた。




『逢いたい』と素直に言ってくれたまどかの気持ちは心から嬉しかった。




しかし、星の気持ちが追いつかない。





『逢いたい』と送り返していたらどうなっていただろう?

とぼやいたりもした。



その頃、まどかは雄大に事の顛末を話していた。



雄大は心の中でチャンス到来とばかりに喜んだが、それを表に出すのは気が引けてたので話をちゃんと聞いた。



「会いたくなかったわけじゃないんじゃないかな?まあ理由は本人しかわからないけど」



と雄大はまどかに精一杯の言葉をかけた。




「そうですかね…。もはやもうわからないんですよね。」



あまりの落胆ぶりにフォローせざるを得ないくらいに落ち込んでるまどかに取り憑く島もなかった。



まどかにどんな言葉をかけたら安らぐだろう?

どんなことを言ったらほっとしてくれるだろう?


と雄大は考えたがどれをとってみても今のまどかには届かないと感じるしかなかった。



チャンスが到来したと思った自分が恥ずかしくなるくらいまどかは落胆していた。




その夜、まどかは普通にトークアプリを利用した。




久しぶりのトークアプリである。



匿名だから話せること

匿名だから言っちゃいけないこともそこにはあってみんながみんなでルールを守れたならそこは暖かい場所だとまどかは思っていた。




『はじめまして』





久しぶりに目にする文字に少し期待を寄せながら





『はじめまして』



とさまざまな会話をする。





でも何か違和感がある。

この話口調どこかで?




なんとなくどこかで話したことがあるようなどこか懐かしい気分になったまどかは



まだ気づかないのである。

今話してる相手が誰なのかを。

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