第5話
大石まどかは今日もトークアプリでトークを展開してる。
今日のお相手は?
サラリーマンの男性(45)
既婚者のようである。
まどかは基本、独身の人と話す機会が多かったが、既婚者の人とも話すこともあった。
それが今日みたいである。
「はじめまして」
から始まるのはいつものこと。
夜勤がある仕事に就いていた彼は、時間を見つけてはまどかに連絡をくれた。
仕事のこと、奥さんのことはあまり話そうとしなかった。
まどかも気にしていなかったのでそこを聞くことはなかった。
既婚者の人とあまり話さないのはなぜかと言うと相手には『家庭』と言うものがあるのでそれを壊してまで話す必要があるのか?
と、まどかは疑問に思っていたからである。
話は弾んだ。
まどかも仕事で手が離せない時間以外は彼とのやりとりを楽しんだ。
20歳歳が違うと価値観や考え方が変わっており、いろいろ勉強となった。
やはり既婚者は既婚者の落ち着きがあった。
どこか今まで話してきた人とは違う余裕。
話していて楽しい。
仕事の悩みなども相談した。
彼は真摯に応えてくれたのである。
『やはり歳が離れていると妙な落ち着きがあるな』
とまどかは内心思っていた。
しかし、雲行きが怪しくなってきた。
「まどかさんは一生、自分の方を見ない。
妻の話をしてこなかったのも、まどかさんを好きになっていたからだ。
こっちを向いてくれないかな?
向いてくれないよね。
もう連絡はしない。」
と、まどかはまた『勝手に』失恋をしたのである。
最近のまどかは『またか!』と思うことが多くなりショックを受けることも少なくなった。
勝手に好きになられて勝手に自己解決していく男性たちにどことなく『嫌気』がさしていたまどか。
これから待ち受ける運命的な出会いに
今はまだ気づいていないのであった。
さて?
運命的な出会い?
文字に恋をしているまどかに運命的な出会いなどあるのだろうか?
いつも一方的に終わる恋に、まどかが落ちる時があるのだろうか?
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