心象風景の記録
今、市の若者支援相談窓口で二週に一度、話を聞いてもらったりしているのですが、そこで私が話した内容の中で、それは何らかの形で文章にしておいた方がいいんじゃないかと提案され、誠に勝手ながらこの場をお借りすることにしました。今はネット上で、誰という証明もいらずに自己表現が出来るので、そこで出来る繋がりも含め、とても有難いものだなとつくづく感じています。
前置きが長くなりましたが、心象風景の記録についてです。私は思考や感覚がイメージが先行するタイプなので、私にとっては『当たり前』で私からは見過ごされる映像や絵ばかりなのですが、一応、直近の鮮明なイメージとやり取りを記録しておくことにしておきます。
小さな保育園の一室に、少女と、影のような、ぶれた陰影の少年がいます。輪郭が濃いのは少女の方です。2人は一緒に、(同時にといった方が的確でしょうか)積み木遊びをして、壊して遊んでいます。ただ積み木を積んで、一定の高さを成して積み上がったら壊す。その度に喜んで叫び声を上げています。
一方左の、部屋の入り口の辺りには背の高い男が1人立っています。男性は何も言わずに少女と輪郭のダブった少年の遊び姿を見守っています。監視していると言った方が正確のような気もします。彼は彼女、彼の遊ぶ様子をじっと見ていますが、遊びに参加しようとはしません。ただじっと眺めているだけで、少女とだぶった少年が部屋の外に出ようとするとか、妙なことをしようとしないか見張っているような感じです。彼は油断がなく、常に緊張感があります。融通が利かなそうな感じです。
その見張っている男と、遊んでいる少女(少年)の構図が、今の私の脳内に鮮明に描かれています。そして時折、彼等の言い分を聞きます。私がその構図を理解するために。そして彼らの本当の欲求や意思を確認して、その欲求や意思を行動へと進ませる手伝いをするために。
男は、少女(少年)がある日外に出て、傷付いて泣いて帰ってきた経験を知っています。そしてその時の彼女たちの辛そうな表情や悲しみを痛いほどに感じ取って、もう二度とそんな目に遭わせたくないと思っているのです。少女も深く傷付いていた始めは彼の提案や行動に賛成して、男に甘え切っていた所があります。
ですが時間が経ち、ある程度の傷が癒えてきた所で、少女は『もう守って貰わなくていい』と彼に言います。少女は傷が癒え、その傷の痛みの辛さと一緒にその傷から立ち直ることで強さも同時に手に入れていました。そこで少女は再び、部屋の外に出て、広い世界で色々な経験をしてみたいと今は思っているのです。
部屋の前に立って、暖炉の火に目をやりながら、少女の瞳を見つめる男。大人であり、彼は世間の常識と権威で出来た服を着ているので、表面的には非常に強力な存在感があります。威圧的ではないのですが、少女の行動を拘束するのに十分すぎるパワーを持っているのです。ですが今の少女は、だぶった少年と力を合わせ、二重の声で『ありがとう、でも大丈夫だから』と、扉の前に立ち塞がり、無言で手を伸ばして行く先を塞いでいる彼の手をゆっくりと下ろして、『できたら、双眼鏡で見るぐらい離れた所から、ただ見守っていて欲しい』と彼と真正面から視線を合わせて少女は言って、部屋の外に出て行く。部屋の外は夜で、静寂と危険を同時に孕んでいて、残された男は少女の後ろ姿を心配そうに見つめている……。
最後は物語調になってしまいましたが、大体こんな感じです。私の自己分析をするに当たってのポイントとしては、男の立ち位置が私から見て左、少女が右にあり、暖炉や積み木などの遊び道具も右に置かれているという所です。左脳と右脳の機能としての対比関係と言ってもそう的外れでもないような気がします。
今までは特に自分を守る為に、左の男性に頼りっぱなしだったと思うので、これからの人生は少女と少年に権限を委ね、創造的な生き方、書き方、描き方が出来たらいいなと思っています。
うまく着地点を紡ぎ出すことが出来ませんでしたが、また今回のように自分の中にある新鮮な心象風景を記録・報告出来たらいいなと思っています。
とてつもなく長文な中、ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。
備忘録 パラークシ @pallahaxi
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★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 2話
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