第10話、試験の裏で起きたこと

僕はジーク・ブリテン、どこにでもいる普通の王国の第二王子であるけど今は自己紹介をしている暇ではない。



今は僕にとって大切な先生が試験を受けられたのに明らかに採点よりも低い評価になっているのだ。



おかしいと感じた僕はすぐに調べ始めた、何かを隠していると思われる人たちを尋ねた。



すると話せないと言ってきたので僕は誰にも話さないから教えてくれないかと頼むと王子、約束ですからねと言って教えてくれたのだけどそれはココアとその母親からの裏工作と脅迫で評価採点よりも低くしたらしい。



良く教えてくれましたと伝えてから絶対に話しませんからと言って勇気を持って教えてくれた人に感謝をしてその場を立ち去って考え始めていた。



間違いなくココアは兄を王にさせようとして暗躍しているのは明白、僕は兄と違って地盤はないから不利で無視でも良かった筈だったのだけど僕が魔法の力が上がり過ぎて無視ができなくなってしまったわけか。



なら僕に対して何かを仕掛けてくれば良いのに恩人である先生を狙うとは許せんとしか言えなかった。



仮にも王になるつもりなら正々堂々と勝負するべきでこうして裏工作などするべきではない。



そうして僕は他にも情報を集めて何かを考えているのか調べていた。今度は遅れを取ることはないようにと思っていたのに既にココアは先手を打っていたのだ。



それは先生が所属となったBクラスは生徒はもちろんの事、教師までもココアの息がかかったものばかりでBクラスには先生の味方は誰一人もいなかった。



しまったと思っていた、実は先程に先生はココアからこちら側に来ませんかと誘われたらしいけど先生は断ってくれて僕、自身はとても嬉しかったけどこれでココアからの報復が来てしまうのでないかと考えていた。



僕が目の前にいれば流石に何もしてこないだろうけど見えていない所ではどうすることもできない。



くそ、これはかなりヤバいないくら魔法が強くなりして前よりも支援者が増えたとはいえ未だに兄上派には遠く及ばないから守りきれない。



先生だっていくら一人でも限界がある、どうしたら良いのだと僕は考えたのだけど良い案が思いつかずにいた。



それからしばらくして先生と話して何か不便な点や嫌なことがありましたかと聞くと先生はいや、特になかったけど何か会ったのかと逆に質問されてしまって別に何もありませんがと言いながらも先生の様子を見ていると何かと眠たそうにしているのでなにか疲れているのですかと聞いた。



「いやー、殿下。最近は色々と試したいことがあって夢中にしていたら夜遅くなる事が多くてそれで寝不足かもしれませんね。別にクラスでは嫌なことは起きていませんから心配しなきでください」



これは僕に対して心配させないように無理に元気を振る舞っているのではないかと思ってしまったが先生が大丈夫だと言うのであれば僕からすることはない。



出来ることは先生が本当に困っている時にしっかりと助けられるようになっている事だと僕はそう考えて今よりも更に鍛えようと決意をするのだった。

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