第4話、誰かこのオタクに力を貸してください

どうしようーー!!目の前に現れて来たのは永遠の人だと諦めていたコノハ・アルバートなのですけど俺はどうしたら良いのですかと誰も話していないから答えなど返ってくるはずもないのに聞いていた。



するとコノハ・アルバートちゃんが俺の事を見て心配そうにしてどうしましたかと聞いてきたのですぐに答えた。



「いいえ、俺の前に天女だと言われても信じてしまいそうな程に美しいあなたを見て驚いていたのです。ですから気にしないで下さい、コノハさん」



滅茶苦茶に今のセリフを言うのも恥ずかしかったのですけどと言うか今のはさり気なく好きだということを告白していないか。



いきなり初対面の人に対して言う言葉ではないだろうが、そんな台詞を言うやつは滅茶苦茶に阿呆だから・・・って!それは俺だー!



どうしようそれで変な目で見られたらショックのあまりで死ぬ自信があるのですけど。そう、思っているとコノハさんは言葉を出して話をしてきた。



「私が天女みたいですって、そんな事はありませんよ。私は家族の誰よりも嫌われておりますので・・・」



「いいえ、俺は間違いなく生まれてきた中で間違いなく一番の美しさと可愛さを持ち合わせてをしている人だと思っていますから自信を持ってください」



そうだ!俺は好きすぎるからこのゲームがアプリに来た時に君のイベントガチャで天井まで回しても後悔は一切していないほどに美しさと可愛さを持っているのだから自信を持ってほしい。まあ、天井まで出さなかった運営には怒りを覚えた事はさておいて。



でもそう伝えても自信を持つようになるのは主人公との出会いで成長してからなんだよな。それまではこんな形だからな、たくましく凛としているコノハ・アルバートちゃんも良いけどこうして保護欲が溢れてしまうコノハ・アルバートちゃんも俺は大好きだよ。



今はそれよりもなにか楽しい話題を探さないと行けないと感じて話を再開した。まずは世間話と言うかギルドの依頼だからと伝えて断ってから話を繋げようと決めた。



「ともかく、お礼は別に良いですからギルドから正式に貰えますから言われた金額よりも貰ったらそれは別の問題に発生してしまいますから」



するとそうですかとコノハちゃんは落ち込んでしまっていたけど別に君の事が嫌いじゃないからと伝えてから俺はトチ狂った提案を出してしまった。



「それでは俺と今日だけで構いませんのでこのマサキと共に過ごしてくれませんか。天女にも劣らないコノハさん」



何を言っているのだ、この気持ち悪いオタクはと言った瞬間から自分自身でもそう感じてしまった。



何が今日だけでも付き合ってほしいだ!初対面だぞ、冷静に考えれば無理なのは分かっているよな。なんだ、コノハちゃんの色気で頭が可笑しくなったって・・・なら仕方がない・・・いや、駄目だけど気持ちは理解してしまっている。



俺はなんてことを言ってしまったのだと落ち込みそうになった時にコノハちゃんが答えを返してきたのである。



「こんな私で宜しければ・・・でも本当に宜しいのですか?私なんかで」



・・・もしかしてこれって成功したの!?成功した!!!と俺の脳内ではお祭り騒ぎになっていた。



永遠の人と過ごせる時間が出来たぞーと脳内で喜んでいたけどすぐにこの大切な思い出となるのは間違いなくなるので忘れない為にも必死に脳内をフル回転させて一コマ一コマをしっかりと脳内で録画を始めていた。



前世で必死になって魂に記憶をしておいたコノハちゃんのイベントも未だにしっかりと記録をしている。



それだけに変なところで記憶力は良いと自信があるけど役に立つかと言われると正直に言って微妙な感じであるがこの場面では間違いなく役に立つと断言できる。



俺は今回の最大の報酬というか最高に得られたものはファイアーワイバーンではなくてコノハちゃんとの思い出になりそうだな。



そう思いながら俺は近くの町で今日はゆっくりとする事になった。さて、これで俺はある事を言いたいのだ。



誰かーー!!このような状況になっても相手を満足させられる自信がある御仁はいますかー!助けて下さい、こんなオタクには難易度が高すぎですから。



そうお願いを天に伝えても届くはずもなくオタクの俺が何とかするしかなくなった。



でも夢にも見たコノハちゃんとのデートまではいかないけどそれでもそれに近い事ができたなんて前世の俺が言っても信じないだろうし仮に信じたとしても血の涙を流して悔しがるのが見えていた。



とりあえずまずは相手に合わせてから行動を決めよう。そうだ、ゲームでも敵の動きを予測してから行動をするようにヒロインのコノハちゃんの動きを見てから決めれば良い。俺はこの白龍伝説をどれだけプレイをしてきたと思っているのだ。



信じろ、今こそオタクの真骨頂を見せる時だと意気込みで共に町の中を歩き始めた。



そう強気で行ったけどやはりオタクは推しの前では無力に近い状態でした。近くにいるだけで緊張していたところをそんなに緊張をしなくても大丈夫ですよと女神みたいな微笑みで話してくれた。



コノハちゃん!俺はそれだけでもかなり嬉しすぎますからと思いながら腹が空いてきてしまった。先程まで火炎の渓谷ダンジョンに潜っていたからあんまり食事をとっていなかったことを思い出した。



俺が恥ずかしそうにしながらお腹が空いてきたのでどこか食べられそうな場所はありますかと聞くとコノハちゃんは優しく教えてくれると言って一緒に向かい始めた。



その場所は小さいであるけどきれいな場所で見覚えがありここは確かコノハちゃんがよく通っている所じゃないかとすぐに理解をした。



伊達にプレイ時間99時59分とセーブデータに書かれている訳ではないぞと思いながらそのお店に入ると本当にゲームと同じ背景が現れて少しばかり感動をしてしまった。



ここではコノハちゃんとのイベントが多く発生するからよく来ていたからな。それにここにある売ってある料理も美味しそうなものばかりだったのでせっかくなので食べてみたいと考えていた。



そうしてお金は無駄に持っていたので気軽にいろんなものを頼んでみるとコノハちゃんがそんなに慌てなくても料理は頼めばやってきますからと楽しそうにして言われた。



それを見ていた俺は可愛いー!と思いながらもお腹が空いてきたのは事実なのでそうですねと恥ずかしそうにしながら返答した。



そうしてしばらく俺はコノハちゃんと話をして待っている事になった。



「そう言えばコノハさんはとても身分が高い人だと聞いております。俺みたいな貧乏貴族でもこんなに優しく接して下さり本当に優しいのですね」



「いいえ、私は優しくはありませんよ。ただ領地を助けてもらった人にお礼をしないのは家にとっても良くないと思っただけですから。本当に優しいのはマサキさんの方ですよ」



そんな事はないから滅茶苦茶に優しいのは俺は知っていますからそんなに自分を過小評価をしないで下さいと伝えた。



そうしている間に料理が届いたので俺とコノハちゃんは料理を食べ始めた。



やはり予想通りだったけど滅茶苦茶に美味しくもしコノハちゃんがいなかったら物凄い勢いで食べていたかもしれないなと思いながら食べているとコノハちゃんが美味しいですかと聞かれたので俺ははい、予想よりも美味しかったですよと答えた。



そうして食べながら向かいたい場所はありますかと聞かれたのでコノハさんがお気に入りの場所でも連れて行ってくれますかとお願いをした。



そう言うとコノハちゃんは笑みを浮かべながら分かりましたと答えた。



でも俺はその場所は知っている、ゲームで何度もその場所に訪れていたから現実だとどんな感じなのかと思いとその場所にいるコノハちゃんはとても絵になるからこの目で記憶をしておきたいからそんな思いで向かう事にした。



そう、この町のメインとも言える花の楽園と呼ばれている広場があるのだけどそこでゆったりとこの一生の宝として思い出を作りたいからとそんな思い出で俺はコノハちゃんに甘えて食べ終えてからゆっくりとその花の楽園に向けて歩き出すのだった。

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