第3話、ファイアーワイバーンをテイムするぞ

それからしばらくしてから実際に火炎の渓谷に来ていた。とても暑いダンジョンで薄着でくることを推奨されていたけどその理由が分かるぐらいに暑かった。



ついでにこの火炎の渓谷では主人公とヒロインとのイベントがあり俺はそのシーンを見て思わずに鼻血を出してしまった事があるのでそのような意味でも忘れられないダンジョンであった。



マジで生で見られた・・・見ることになるだろう主人公は真面目に血の涙を流すぐらいに悔しいから倒したいけどそれで戦っても勝てる保証はないしそれに向こうは王族だからこの国に暮らせる場所はなくなるから諦めるしかないのかとそう考えると落ち込んでしまうので切り替える事にした。



ゲームしか見られなかったダンジョンをこの目で見られることをまずは喜びながら進み始めた。そのような楽しみを見いだせないとショックで立ち直れないから、でもそれで彼女の幸せになるのであれば推しとして引かなければオタクの風上にも置けないやつになってしまうからな。



しかし、この火炎の渓谷は構造もどこに宝が眠っているのかどこに罠があるのかと全て覚えていたのである。なんせここは俺がおそらく一番本編のダンジョンの中では一番潜ったダンジョンでもあったから。



ここはストーリーでファイアーワイバーンが生息しているダンジョンに一番最初に来る場所だから俺はここで粘っていたから大変だった。



なんせ条件を満たしてからファイアーワイバーンを倒してもテイムできる確率は僅か3%しかないのだ。鬼畜な設定に制作陣のドS度がにじみ出ていた。



勿論のこと当時の俺はそんなことを知らずにここで滅茶苦茶に粘った結果、ストーリークリアするレベルまで上がってしまったけど何とかしてファイアーワイバーンをテイムに成功したけどその後のボス戦が滅茶苦茶に弱かったことは今でも覚えている。



でもあそこはどうやらこの作品の鬼門らしく滅茶苦茶に理不尽な力を持っているから鬼畜だと言われているけど俺はラスボスを倒すほどにレベル上げしていたから楽勝だったのにな。無論、普通の人はそこまでレベル上げなどしないと思うけど。



ともかくストーリーの鬼門と呼ばれるボス戦の前に訪れるダンジョンだと覚えておいてほしい。攻略サイトでも推奨レベルよりも高くして挑めと書いてある。



そんな事を思いながら依頼を成し遂げていた。まあ、俺もラスボスまではまだ一人では倒せるのは難しいけど戦えるまでは強くはなったからこれぐらいは問題はないけどなと思いながら進んでいた。



モンスターと遭遇はするけどこちらが強いので問題もなく進んでいた。目的のファイアーワイバーンはこの火炎の渓谷の最深部に生息しているから行くのには大変だけどそれに見合った価値はあるから向かっていた。



そうしてとうとう俺はこの火炎の渓谷ダンジョンの最深部に辿り着いた。ゲームで見たいた時からこの場所は中々に絶景だなと思っていたのに実際に見てみると予想よりもきれいで感動していた。



それはそれうとなんと目的のファイアーワイバーンがしっかりと生息していた。しかもこちらもゲームよりも格好いいと言うおまけ付きである。



俺はヤッターと喜んでいたけどその声で気がついたファイアーワイバーンたちが俺に向かって襲いかかってきたのである。



良し良し、ファイアーワイバーンをテイムする時は炎魔法で倒さないといけないのでそこが苦労する点だけどこの融合魔法なら倒しやすくなっている。



それにこの作品を作ったチームの人たちの話だともし融合魔法とかあったら属性は2つほど同時に与えるつもりだったらしいけどそれの作業が難航して諦めてしまったという逸話がある。



だからこそ俺は本当にそれさえあれば本当に名作中の名作になれたと思っているのだ。でも今でも十分と名作なのですけどね。



なんせやり込み時間が99時間59分とセーブデータに書かれてあるからどれだけやり込んだのかセーブデータを見れば一目瞭然であった。



まあ、大半がこのファイアーワイバーンのテイムとこの世界のヒロインの一人とのイベントで時間を費やしたのですけど。



だってそのヒロインが滅茶苦茶に好みだからこのゲームを始めてハマってしまったのだからと思っていた。



そのヒロインの名前はコノハ・アルバートと言う美少女または美女でハーフエルフであり侯爵令嬢であるけど妾の子供の上に母親がエルフという事もありあんまり良い待遇はされていないというのが設定である。



悲劇的なヒロインの一人でありそれだけでも保護欲が出てくるのに更に紫色のロングヘアーに胸も大きいせいなのか私服だとプレイヤーに見せつけて来る始末であるので無自覚エロいキャラでいざそんなことになるととても恥ずかしい姿を見せて来た時は思わずにセーブデータを消さないために十個ほど別のデータに予備として残したぐらいだ。



まあ、そんなに滅茶苦茶に可愛いコノハちゃんの魅力を伝えるにはこのファイアーワイバーンをテイムしてからにすることにした。



本来ならとても長い作業になってしまうが実は良いものを持ってきていたのだ。それはテイム御利益の御札と言う物を装備している。



これは本来の生物をテイムする時の成功の確率を十倍にすると言う裏ダンジョンしか手に入らないものをこの3年間の間に手に入れていたのだ。



勿論のことこれは滅茶苦茶にレアアイテムでこんなにゲーム時間を遊んだことがある俺のデータですから5個しか手に入る事はできなかった。



だからこそこの世界で手に入れたら良いのになと考えていたら奇跡的に手に入ったのですぐにファイアーワイバーンをテイムしたいと考えてここに来た訳だ。



それでも確率は30%しかないのでしばらくはその場で炎魔法と風魔法の融合魔法、ファイアートルネードで一掃してテイムできそうな個体を探しながら倒していった。



それからしばらくしてからようやくテイムが出来そうな個体を見つけてテイムを開始した。ゲームだと個体差もあるから何か色々とやるらしいけどここは現実だからそこまではするつもりはなかった。



このファイアーワイバーンと巡り会えたのも何かしらの縁があってこうなったと信じているからと思いながら待っているとテイムに成功して懐いてきたので持ってきていたお肉など全てあげてしまった。



でも美味しそうに食べているから問題はないかなと考えていると俺もお腹が空いてきたので潮時かなと思ってこの火炎の渓谷ダンジョンを後にすることにした。



それでもこの場所は気に入ったのでまた来る機会があればまた来たいけどなと思い名残惜しいかなと思いながら立ち去った。



外に出ると先程までの暑さが嘘かのように涼しくなったと言うか寒いぐらいである。原作のキャラたちはと感心しながら立ち去る事にした。



すると近くの領主の代理がお礼をしたいと言ってきたのだけど別に好きでファイアーワイバーンをテイムしたいからそのついでに仕事をしただけですからと答えているとその領主の代理が俺の目の前に現れたのであった。



それは先程に思っていた俺が前世から一目惚れをしていた人物が目の前に現れてから言葉を出し始めた。



「どうも始めまして、ここの領主の代理を務めさせていただいております、コノハ・アルバートと申します。どうか宜しくお願いします」



ぎゃぁぁぁぁぁ!!声も滅茶苦茶に可愛い上に見た目も可愛いよ!!



元々、俺は女性に対して免疫力がないのにそれがいきなり前世で二次元も含めたヒロインの中で一番好きだったコノハ・アルバートにこうして声をかけられる展開なんて考えた事もないしあり得ないと思っていたのにと俺はパニックになりながらもどうしようかと思うのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る