第30話 やられそうになったらやる。倍返しだ!!!
中本さんが帰り道を歩いている頃、二人は変装して遠くから中本さんを見張っていた。
俺はウィングを付けて、雫はメイクして変装した。
そうやって見張っていると、後ろから黒ポンチョを被って中本さんに迫ってきてる男を見つけた。
少し中本さんのほうに近づいて様子を伺うと、黒ポンチョの男は中本さんの口を塞ぎ、裏路地に連れ込んだ。
俺たちは急いで裏路地に向かうと刺されて腹から赤い血のりがついている中本さんと、彼女の目の前でニヤついている黒ポンチョの男がいた。
「おい!!なにしているんだ!!」
俺はそう叫ぶと黒ポンチョの男は一瞬こちらを見てすぐに逃げ出した。
雫は中本さんにすぐに駆け寄っていった。
俺は一瞬見えた男の顔があまりにも狂気的たったことに恐怖を抱いていた。
そして俺は男の正体に気づいた。
「担任・・・・近衛堕洋平・・・」
容疑者の内の一人。だが・・・何の理由で・・・?
彼の年齢は31歳。事件が起きたのは25年前。
事件の直前に起きた事故の被害者である少女は6歳。担任も6歳。
少女と担任の関係は・・・?幼馴染?家族?それとも恋人?
6歳の頃から恋人か・・・ってそんなことは今は良い!!
ただ一つあるとすれば担任はあの事故が理由で狂ってしまったこと。
少女に似ている人物を狙ったのはどう言うことなんだ?
復讐?復讐したいほどに少女を憎んでいたのか?少女が死んで少女と似ている人物を殺すという復讐があるのか?
何にも理由がない可能性は?ただ少女に似ている人物を殺すことに快感を得ているのだとしたら?そんな思考になった原因は何なんだ?
待てよ・・・・担任は熱くて腕をまくる時があった・・・
腕を捲る時、ほとんどの確率で・・・・・・注射痕があった。
そんな頻繁に注射痕を打つ理由。それがこの事件に関わるとすれば?
薬をやっている?
現実逃避。少女のことを思い出したくないがために、思い出す要因を殺している?
幻覚が見えている?幻聴もありうる。
学校でたまに出る異常なテンション。時々発する意味のない言葉。
担任がよく口にする言葉・・・・そうだ・・・
【天使】だ。
担任はよく私の天使がと口にする。でも結婚しているわけでも、恋人がいるわけでもない。ネットも疎い。
なら私の天使とは誰なんだ?・・・・被害者である少女。
もし被害者の少女のことを天使だと思い込んでいたら?そしてあくまで天使のために活動していたら?その一環が少女殺しだったら?
どうすれば良い・・・・少女のことを判ることさえできれば事件にもっと近づくことが出来るのに。
俺がそんなことを考えていると雫は中本さんを起こした。中本さんはすっと起きた。
心配する雫と笑いかける中本さん・・・良いねぇ。百合だねぇ。
俺はそんな二人のそばに近寄る。
「大丈夫?怪我はない?」
俺がそう言うと、中本さんが
「大丈夫よ〜」
と、マイペースな感じで言ってくれる。
俺は二人にその先の話をした。
中本さんにはカッパを着てもらい、俺と雫で見送った。
俺と雫で帰っていると電話が鳴った。瑛太さんからだ。
『どうなった?』
「刺されはしましたが、準備のおかげで無傷で済みました。」
『犯人は分かったのか?』
「はい。分かりはしました。ですが問題があるかと。」
『分かった。また話をしよう。』
「察してくれて助かります。」
『あぁ。ではな。』
「はい。」
この電話を雫が黙って聞いていた。
「犯人分かったんだ。」
「あぁ。でも少し問題があるかもしれない。」
「教えて欲しいな。力になりたいから。」
「分かった。教えるから極力自分だけで何かをしようとしないでくれ。」
「うん。分かってる。」
そして俺たちはその話をしながら帰っていった。
どんな理由であろうと、殺人はダメに決まっている。
今まで死んでいった少女たちの思いも込めて、倍返しだ!!!
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とあるラ○ンの話である。
「なぁ圭。」
「なんでしょう。」
「正徳、またなんかやろうとしてるっぽいな。」
「でしょうね。」
「なにをやろうとしてるのか分からんけど・・・」
「協力したいと。」
「その通り。判るじゃねぇか。」
「自分でも察しが良い方だと思いますよ。」
「圭はどうする?」
「もちろんお供しますよ。」
「それでこそ圭だ。」
恐ろしいほどの感知能力で正徳の計画に気づいた二人であった。
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どうもみなさん!マヨきゅうりでございます!!
今回はついに正体判明しました。この先の展開は一体どうなるのか・・・
もしこの話が良いなって思ったらフォローや星、ハートやコメントをよろしくお願いします。
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