第25話 ひだまり

俺は記憶を辿る。

大好きな姫乃さんとの思い出。


「愛しています。姫乃さん。」

「私も、私も大好きぃ!!」

姫乃さんに告白した時。


「しょうくん・・・来て?」

「はい!で、では・・・」

姫乃さんと初めて繋がった時。


「今日はダメですよ?」

「えぇ〜なんでよ〜」

姫乃さんがほおを膨らませた時。


「いたた・・」

「しょうくん!大丈夫!?」

姫乃さんが心配してくれた時。


「将来結婚しましょう。絶対に。」

「うん!絶対にする!!」

姫乃さんと約束した時。


約束したじゃないか・・・姫乃さんと結婚するんだろ?なぁ俺?

なのに姫乃さんを信じなくてどうする?

最愛の人を信じないなんて論外だよな。


姫乃さんは優しい。

姫乃さんは可愛い。

姫乃さんは素敵だ。

姫乃さんは美しい。

姫乃さんは少し・・・えっち。


俺はそんな姫乃さんが好きだ大好きだ愛してる!!

なら、祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って、運命を変えるしかないよな?


その言葉で人型の影が生まれる。

その影はこちらを見る。

【お前にできるのかよ】

出来る。いや、やるしかないんだよ。


【姫乃を信じなかったやつが?】

今は違う。今信じるんだ。いや、信じるなんて当たり前だったんだよ。


【お前に姫乃を救えるか?】

救えるよ。救うしかないんだ。


【お前に姫乃の支えになれるか?】

なれるよ。俺はそう思う。


【お前は姫乃に相応しいか?】

そんなもん。三人で決めれば良い。


【三人?】

俺と姫乃さんと雫だよ。


【ハーレム気取りの主人公気取りか?】

俺は二人を幸せにしたいだけだ。そういうふうには思わない。


【お前は雫も幸せにする気か?】

あぁそうだよ。俺は二人を幸せにするんだ。


【その覚悟はあるのか?】

あぁ。俺は二人を幸せにすると決意したよ。


【もし姫乃に断られたら?】

何度も土下座して説得するよ。


【大好きなものは絶対に離さないと?】

そうだよ。俺は全部を幸せにしたいんだ。


【強欲だな。せっかく拾ったものが落ちるかも知れないぞ?】

いいや、みんなで支えるから。きっと落ちないよ。


【出来るのか?】

出来るさ。きっとね。


【そうか。なら安心だな。】

そうだな。


少しずつ影が薄れていく。

そこで見えたのは昔、壊れる前の俺だった。

【じゃあ俺の出番は終わりか。】

一つになるんだな?


【そうかもな。まぁやっと俺は姫乃を本当の意味でお前に託すことが出来るよ】

今までごめん。昔の俺。


【良いさ。まぁ姫乃を幸せにしないと許さないけどな。】

そ 大丈夫。俺は絶対にを幸せにするから。


【じゃあこの時間はもう終わり。】


昔の俺は手を広げ、光を集めて俺に渡してくる。

【最後のキーアイテムだよ。君なら分かるだろう?】

あぁ。分かるさ。


【運命を変えるんだ正徳。お前なら絶対に出来るよ。】

あぁ。分かってる。絶対に運命を変えるよ。

その言葉に昔の俺が笑ったような気がした。


そして世界が壊れていく。

昔の俺は俺に纏わりついて吸い込まれていく。


そして光で包まれた。

正が俺を見た。そして俺と正は本当に仲直りした。


そして、目を覚まして、俺はゴアと対面した。

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そして今、色付いた世界の中。

雫と二人で姫乃を見ていた。


俺はゴアの発言を思い出す。

『呪いで目が覚めないお姫様は何をしたら目を覚ます?』

答えはもう分かっている。


目を赤く輝かせ、姫乃を優しい目で見る。

そして少し振り返り、雫に言う。


「雫。呪いで目が覚めないお姫様は何をしたら目を覚ますと思う?」

雫は少し考えて言う。

「最愛の人からの・・・キスでしょうか。」

「だよなぁ。俺もそう思うよ。」

そうして俺は姫乃に近付く。


そして俺は姫乃に、

「愛してるよ。姫乃。」

そっと口づけをした。


1分のような1時間のような、でも1秒のような。長くも感じ短くも感じる時間、俺は姫乃にキスをした。

そして口を離し長い1秒が進んでいき、10秒が経った時。


姫乃は目をそっと開き、

「ここは・・・病院?」

自分の安全を証明した。


そして俺は姫乃に抱きついた。

そして二人はキスをした。

最初は触れ合うようなキス。

そしてお互いの舌が絡み合って、最後は吸い付き合う。

口を離した時、銀の糸が二人を繋いだ。


「おはようございます。姫乃。」

「おはよう。しょうくん。」

二人で見つめあった時、少し物音がしたのでそっちに目を向けると雫が目を逸らしていた。

二人は頬を真っ赤にして恥ずかしがった。

そしてみんなで笑い合った。



とある休日の朝頃、一人の男がそこで眠っていた。

家の裏庭、そこは木が一本立っており、ピクニックに最適そうな場所だった。


男、正徳はひだまりでぐっすりと眠っている。

そして二人の足音が聞こえてくる。


二人は寝ている正徳の前に立ち、

「しょうくん。起きて、木村くんと佐藤さんが来たよ。」

「正徳くん。早く行かないと怒られちゃいますよ?」

その言葉で正徳が目を開ける。


二人の顔が見えた瞬間、二人を引っ張って自分の腕を枕にして寝転がせる。

「ちょ、しょうくん!?」

「寝ぼけているのですか?」

そう言っている二人を前に正徳は、

「幸せだなぁ。」

そう言った。


そしてまた寝ようとするので二人が叩き起こす。

「おはよう。二人とも。」

「やっと起きた!さぁ行くよ!二人が待ってる!」

「そりゃ大変だ!早く行かないと!」

正徳は勢いよく立ち上がり、二人を手を差し出す。

「さぁ行こうか。」

「うん!」「はい!」

そして二人は自分の家に帰っていく。


こう言った世界ではありふれた日々。それは正徳達にとって幸せになる。


正徳の隣で姫乃と雫が笑う。それが正徳の最高の幸せなのだ。


「良い・・・朝だなぁ」


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第二章完結です!!実際にはあと1話続きますけどね。


次の話は雫と姫乃の対面などです!!


もしこの話良いなって思ったらフォローや星、♡やコメントをよろしくお願いします!!

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