第11話 幽閉と希望

ノロイ視点

ノロイは透明な場所にいた。時々バグったかのようなが落ちてくる。

それは人のような、物のような、液体のような、気体のような、

のようなナニカが落ちてくる。

そんな場所にノロイは飛ばされていた。


(ナニガ・・・ナニガアッタンダ!?ココハドコダ!?)

ノロイは困惑していた。

ここがどこなのか分からず、ただただ困惑する。


(ッ!?)

そこでノロイ、いや朝倉兄と父の憎悪は見た。


そこにはバグったかつての自分達の死体が転がっていた。

その上には「Human_Asakura-Brother&Father」と書いていた。

ノロイはそれに嫌悪感を抱いた。


彼らの死体の横には、破れた複数枚の紙があった。

その上には「Super Cup_Story_Badend__copy」と書いてあった。

それはこの物語の続きだったかも知れないものだった。


それを見たノロイはこのストーリーにバッドエンドがないことを悟った。

最後はハッピーエンドだとそう告げられた気がした。

そして同時にノロイはここがどこか悟る。


ここはゴミ箱の中だ。

正確に言えばデータを消した後に送られる場所だ。

つまりこの物語のファイルのキャラクターファイルからノロイは消え、他のデータと一緒に消されたのである。


つまり復元しない限り、一生ノロイはこの物語に加入することはないと言うことだ。

そしてゴミ箱の中からデータの復元をするのは不可能に近い。

それでもノロイは部屋を歩きまわったのだ。

いつかまた復讐するため、ノロイは脱出口を探し回っていた。



その光景をサクラとスミレが見ていた。


____________________________________________________________________________

正徳視点。


正徳は目を開けると白い空間にいた。

目の前には自分がいた。

いやがいた。


少しの間二人とも沈黙していた。すると正徳は少し困ったように、

「えーと、初めましてで良いのかな?一応多分キミは俺の別人格だよね?」

と、そう言うと彼が、

「君は怒らないのかい?俺は君を中にずっと閉じ込めた。それなのに何で?」

と困惑したように言う。


正徳はその言葉に困惑する。

「なんで?俺はキミなんだろう?たとえキミが俺の仮面だったとしてもキミは俺という存在そのものなんだよ。」

と言ってくる。


彼はその言葉を否定するように言う。

「何でなんだよ・・・俺を憎んでくれよ。俺は君に酷いことをしたんだ。君のトラウマを利用して君を乗っ取るようなことをした。」

彼は泣きそうになりながら話を続ける。

「君は俺を憎んでもおかしくないんだ。ずっと、ずっと君を閉じ込めたんだ。君の体を利用していろんなことをした。なんで憎まないんだ!!」

と、涙を流しながら正徳を睨んだ。


「そうだしても、結局キミは俺だから、キミのしたことは俺のしたことと一緒なんだよ。だから自分を憎むのはおかしいだろう?」

正徳は穏やかに笑う。

「まぁ何で怒ってないのかはキミがしたことを見て俺のトラウマが薄まった気がするんだ。元々壊れていた俺を取り戻してくれたキミを憎むわけないだろ?」

と、正徳は言った。そして彼は気付く。


正徳が彼の行動を見て、憎むような人ではないと気づいた。

あの幸せな人生を見て、正徳は不快になるわけがないとなぜ分からなかった。と彼は思った。

正徳のことを一番知っていたはずの彼。でも感情で動くと他人の気持ちがわからない時がある。彼は焦りすぎたのだ。


彼はただ正徳を救いたい気持ち、そして姫乃達を守るために頑張っていた。

だから正徳が感じていたものを読み取れなかった。


彼は正徳と向き合う。

彼が彼で存在できるのはもうすぐかも知れない。

そんなことを思いながら彼は正徳に笑いかけたのだった。

姫乃達を託すために。


____________________________________________________________________________


どうも!未確認異常生命体 ゴアです!

今回はノロイの幽閉、そして正徳と彼の話し合いがありました。

次話ではついに、正徳が・・・・!!


よかったらフォローや星、応援やコメントをよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る