冒険者として商人として Ⅳ

ジョウさんに嫌われた!そうよ!酷い女だと思ってるわ、あんな事を言うつもりは無かったのに┅┅もう!エルガちゃんが気になって┅┅嫉妬?焼きもち?

ううん!だって私はジョウさんの事を好きとか┅┅

もぅもぅ!何なのこの気持ち!もやもやしてイライラして┅┅

なのにあんな優しい事を言われたら益々私が私を嫌いになるでしょ?┅┅┅┅どうしよう?

顔?見れるかな┅┅┅


反省と後悔、そして淡い恋心かな?メリルさんは悩んでるようですね?カワイイ♪



「ただいまぁ!」

「まぁ遅かったわね、どうしたのその髪?」

「ああ、ちょっと編んでたのをバラす事になって、本当は切りたいんですよ、でも中々」

「じゃあ私が切ってあげましょうか?アミシラの髪は私が切ってるのよ」

「ホントですか!お願いします!」

「じゃあこっちに来て、ここに座って┅┅ホント綺麗な髪ね、いいの?切っても」

「ええ、ホラ?ここの所、自分で切ったけど変に切れておかしいでしょ?」

「まぁ、ウフフ、そうねぇこれは駄目ね、コートを脱いで、バッサリ切るわよ」

「ハイ!お願いします!」

「フフフ、それにしても艶々でサラサラ、どうしてなの?」

「お風呂に入ったら洗ってます、仕上げもしてるからですかね」

「洗ってる?石鹸で?あの石鹸じゃあ無理よ」

「シャンプーとリンスしてます、石鹸は自家製を使ってます」

「シャンプー、リンス?なにそれ?」

「ああっと、後で見せますよ、ギルドの娘さん達にもあげて、今度オルウエルト商会から売りに出すんです、今日の朝、店長のアンナさんに話して来ました」

「そうなの┅冒険者だとばかり思ってたら商人もしてるの?」

「冒険者やりながら暇な時に商いをって思ったんです、だって冒険者だって素材を売る訳ですから、選択肢が多い方が良いでしょ?」

「まぁまぁ、ちゃんと考えてるのね、ハイ、こっち向いて、綺麗な横顔┅┅それで?商業ギルドにも登録したのね」


「それは一昨日に、ハロルドさん良いヒトだと思ったんですけど、してやられました」

「ウフフ、ハロルドは食わせ者よ、でも悪いヒトではないわ、ヒトを小馬鹿にしたりするけどね?」

「知ってるんですね、まぁ宿をしてるから当然かぁ」

「ハロルド┅は幼馴染みよ、昔は真っ直ぐで正義感が強く素直だったのよ、でもねぇ、冒険者に成ってから少しづつ変わったのよ、パーティー仲間に裏切られたり、先輩冒険者に騙されたり、それで実家を継いで商人になったの、今ではギルド長なんて偉そうにして、ウフフ」

「へぇ~」


「あっ!お母さん?なにしてるの?ジョウさん?」

「髪を切ってるのよ、長かったでしょ?」

「ふ~ん、私も手伝う!面白そう!」

「まぁまぁ、遊びじゃ無いのよ?ちゃんとしないとジョウさんに悪いわ」

「じゃあ切るのはお母さんで、私は切った髪を片付けるね?って?こんなに?」

「そうなの、見た目は少ないと思ったけど以外と多いのよねぇ、若いからかしら?私の髪は随分と少なくなって、歳は取りたくないわね」

「でもジョウさん、良いの?顔が出ちゃうよ、只でさえ女の子に間違われるのに」

「否、良いんだ、隠し通せるモノじゃ無いから、それに疲れたよ、それなら男だぞ!ってハッキリしたが良いだろ?」

「ウフフ、そうね、何時までも女の子のままじゃ窮屈よね、でもねぇ┅┅┅こう?ハッキリ見てもどうかしら?フフフ♪」

「そうね、まんま女の子だね、益々女の子っぽくなってる、大体なんでそう真っ白なの?冒険者してるんでしょ?日に焼けたりしないの?羨ましい┅┅」


アミシラは日に焼け少し茶色の肌になってる、 本来は白いが此ばっかしは仕方ない、外に出てるからね


「本当に白いわ、それにモチモチよ、男の子の肌じゃない、ホラ?伸びるし」 ホッペを引かないの!ホントだ伸びてる?


「ずっと籠って勉強してたからですかね、3年くらいは書物ばかり読んでましたよ、外で訓練とかしたの2年くらいかな?」

「3年も!それに2年は訓練したって?それで魔法が得意なの?」


「う~んとね、魔法は使えなかったから魔術を勉強したんだ、魔法陣の図鑑を全部覚えて書ける様になって、その後に魔法を訓練したんだ、魔法陣での術だと魔力を少なくて済むから」

「┅┅┅┅┅ジョウさん?それは本当?魔法陣を、図鑑のを全部覚えたって?」

「ええ、それで独自に陣を描ける様になりました、これとかにも魔法陣を使ってます」


あのドライヤーを出した

「これは?」

「洗った髪を乾かす道具です、こうして魔力を流すと温風が出て乾かせるんです」

「┅┅┅┅錬金術なの?」

「それも使える様になりました、勉強のお陰ですね、色んなのを作れる様になりました」

「それ欲しい!だって直ぐに乾くんでしょ?良いなぁ」

「じゃああげる、まだ持ってるし、アンナさんも売ったら?とか言ってたけど、売れないでしょ?」

「「イヤイヤ!」」

「欲しがると思うわ、こんな便利なモノ、だって魔法とか使えないヒトが多いのよ、それを使えるのよ?欲しがるに決まってます」

「ホント!ジョウさん、いいえ!ジョウは馬鹿ね!こんな良いの誰だって売ってたら買うわよ、ずっと使えるんでしょ!」

「まぁスライムの魔石を5年くらいで交換すれば使えるよ、ライトだってそうだろ?」

「お母さん、私、頭が痛くなって来た、まるで分かってない、ライトですって!それを!もう知らない!」


あっ!行っちゃった、どうしてかな?


「ウフフ♪ジョウさんとはゆっくりお話ししたいわね、ライトの話しも、さぁ終わったわよ、どうかしら?」

「えっと鏡は?」

「それなら私の手鏡で見て」

「手鏡、アマンダさん?鏡ってどこにでも無いんですか?」

「そうよ、鏡は凄く高いのよ、私も宿の部屋に置きたいけどねぇ、費用が大変なの、ご免なさいね、不便で」


そうなのか、鏡は普及してない、じゃあ作ろうかな、確か正式じゃ無くて良いなら簡単だよね?ガルムさん所で作れる、フム、世話になってるからねぇ、まぁ良いか┅┅


「うん!凄く良いですね、ありがとうございます、それとこれがシャンプーでこっちがリンス、石鹸もどうぞ、使い方は教えますね」

「へぇ?これが?この石鹸見ても良い?」 「どうぞ」

「良い香り┅┅軟らかい、固く無いのね、これなら体を洗えるわね」

「体を洗うのにこれを、ヘチマです、石鹸を塗って泡を立てて洗うと良いですよ」

「ヘチマ?」

「ペーロムの身を乾燥させ皮と種を取り除いた物ですよ、ヘチマってのは俺の国でそう言うから、これは汚れが良く落ちて使い心地も良いですよ」

「ペーロムって、そんなのこの辺りには無いわ、図鑑でしか見ない物よっ?これも勉強したから?」

「薬草に魔物、植物とか図鑑の中身は覚えました、他の書物も全部頭に入ってます」

「それは┅┅┅呆れるわね、でも1人で?」

「はい、ずっと1人で、やることが無かったから勉強したのかな┅┅」

「ジョウ┅┅さん┅」


えっ?なんで?急に抱き締められた、頭を撫でるアマンダさん?でも┅┅なんだか涙が┅┅


「1人で寂しかったでしょうに┅だからそんなに素直なのね、汚れが無い心、それが体に現れてるのよ、そんなに綺麗な容姿と銀色の髪┅┅あのね?銀髪の子には祝福が宿るってこの国の言い伝えなのよ、ジョウさんは祝福されてる、けど1人でずっと┅┅」


良い匂いに包まれ、なんだかフワフワした感じ、アマンダさんにしっかりと胸に抱かれ涙を流してるって┅┅でも止まらない


「愛おしい┅┅」


まだ3日しかここに滞在してないのに、アマンダさんとはほんの少しの付き合いなのに、とても安らぐ、ずっとこうしていたい┅┅


「ねぇジョウさん?あなたが良ければずっとここに住んで、代金とか良いから、なんだか我が子みたいに思えて、放って置けないの」

「有り難い話しですけど┅┅冒険者してる身ですし、旅とか出ると思います、そんなに甘える訳に行きません、こう見えて20歳過ぎですよ?アミシラちゃんと同じくらいならそれも良いかも知れないですけど、思ってくれてありがとうございます、俺もなんだか懐かしい温もりでした┅┅」

「そうね、20歳だものね┅┅ご免なさい、駄目ねぇ女将失格、でも何でも相談してね、出来る事なら手伝うからね?」


そして部屋へ戻った、嬉しかった、こんなの初めて、優しく思われるって良いなぁ┅┅

お袋ってのはこんなかな?まぁ俺はそんなの全然知らずに育ったからかも知れないな┅┅


両親が死んで爺ちゃん婆ちゃんに育てられた、5歳で親無しだから仕方ない、親の温もりなんて┅┅


風呂に浸かり考えてた、もしかして結婚して家族を作れば温もりとか分かるのかな?出来るのかな?なんて、アーリアさんが俺の嫁候補、勝手に乳デカが決めたんだが、リターニャさんも絡んでる、運命神だもんなぁ┅

この世界の俺とアーリアさんの運命を繋げたのかな?

勝手ばかりだな駄女神達、しかしそうだとしたらアーリアさんを幸せにしないといけない、孤児で同じ様に温もりを知らないからね┅┅


夕食は食べに降りた、アミシラちゃんはまだ怒ってるみたい、アマンダさんも早くに奥へ引っ込んでる、そこでこの宿に泊まってるヒトが多いのを新ためて知った

朝は早くに食べ出てたからね、結構繁盛してる宿なんだ┅┅

そう言えば部屋が空いて無いからあの豪華な部屋へ入ったんだった


この宿の事もあまり知らない、駄目だなぁ、責めて従業員さんを知らないと、世話になってるからな、大人として情けない┅┅


そして部屋でバッグの整理をした、なんかごちゃごちゃで整理整頓を忘れてた


森を出て全然お構い無しに放り込んでるからね

魔物がまだ沢山収まってる、あの盗賊からの押収品もだ、薬草はギルドに出してるから減ってるか

まだ多い、この魔物達を別のバッグに入れ替えて、薬草はそのまま、盗賊のは出して別けよう、先ず道具類、剣とか槍とかを別の普通のに入れる

宝石とジュエリーはお金専用バッグ、さて幾ら有るんだ┅┅

袋が5袋、全部だすと、白金貨が120枚、大金貨80枚、金貨が630枚、銀貨540枚、銅貨320枚、鐵貨280枚っと┅┅15億円超えぇえ!┅┅┅┅┅┅┅┅ヤバクね?


ジュエリーには金と銀の延べ棒も有った┅┅ダイヤとかサファイヤとか他も、どうしよう?

小市民には大金は恐怖しか無い!

これは封印だな!責めて銀貨以下は使える、金貨は無理!白金貨なんて到底無理!


はぁはぁ┅┅なんでこうドキドキするんだ?金って怖いね┅┅


気を取り直して、普段使いのバッグをサッパリとした感じにしよう!魔物用には専用バッグとする、そして纏めたのはボイスさんに渡して預かってもらう、好きな時に好きなだけ解体して貰うとしよう、うん信用出来るからね


この宝石とかはアンナさんと相談、商業ギルドに売るのも良いかも?でも王冠とかあのハデハデなネックレスは封印だな

剣とかはガルムさん所で引き取って貰い片付くね


そうしたら結局使うバッグは?宝石類とお金、魔物専用に薬草とか素材用、後はフォーリアさんのは?普段使いっと┅┅

小さなバッグが財布代わり、うん!これで良いかも

暇な時にバッグは作らないと、自家製石鹸とかもリセット機能で増やして置かないと不味い、アンナさんには1000個セットは卸さないと駄目だよな

魔方陣を使ってコピーとか出来ないかな?ファンタジーだろ?

出来ると思うんだけど?

駄目かなぁ、あのバッグがそもそもファンタジーだからね、試すのは悪くない


明日からは昇格の為に依頼をこなそう、そしてD級に成ったらアーリアさんを迎えに行くかな、そうしたらここには居られなくなる┅

う~ん家を買う?金はある、まぁその時に考えよう

それと森にも食料を持って行かないと、エリザが困るだろう

巫女さんもだね、パンが無いと不味い!焼き方は教えよう!それが良い、しかし世界樹の実と精霊樹の実がかなりある、これもどうにかしたいけど┅┅無理かぁ結構食べたけど減らないね






『このスカポンタン!なんでその実を普通に食べるぅ!はぁ~知らないってのは怖いですね 1個白金貨何十枚とするのに┅┅まだまだこの世界のルールと常識が欠けてます それに男としても 普通は20歳の健康男子なら女に興味持つでしょうに┅モテるのに残念!宝の持ち腐れ!無自覚!非常識!意気地無し!バカァ!』






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