エリザとフェル その後┅┅Ⅱ

『世界樹よ!戻ったぞ』

『見れば分かる、早かったな、ジョウは既に町へ行ったぞ、何やらオヌシ達の為に色々とやっておったがな、フォッホホ!』

『アヤツらしい、それで巫女のシャリナを連れて来た、もうエルフの国は無い、あの世界樹も枯れて塵となった』

『それがな?あのモノは枯れる前に分身体を飛ばしておる、初めは大湖の淵に、それからどうしたモノか?移動したのじゃ』

『そんな事が出来るのか?』

『フッ、我等は神より使わされた者じゃ、容易じゃな、其れよりあの世界樹の苗木は恐らくジョウのマナに惹き付けられて移動したのじゃろう、なんとまぁ、あの【命の泉】が有る洞窟じゃ、間違えて抜かん様にしておくれ』

『承知した、それとシャリナには何か言う事は無いのか?』

『それじゃ!彼の巫女には精霊が契約されとる、それを解放するのじゃ、直ぐにじゃ、あの場所は精霊達が棲み家にしとる、まぁジョウのせいじゃが、巫女に付いとる精霊はイヤイヤ契約された精霊じゃ、放って置くと巫女が攻撃される、この場所にも来れん、エリザに言って精霊解放を施すのじゃ』

『ならば直ぐに参ろう、転移が有るからな、これは便利だ』

『ジョウに感謝すると良い』


フェルは急ぎ戻りその事をエリザに告げる、聞いた彼女は少し怒ったが仕方ないと認め精霊達に何やら話す


『精霊達よ!このエルフの巫女シャリナは否応なしに精霊契約を施された!此れよりその契約を解約して精霊を解放する、この巫女は此れよりジョウの比護下になるモノ、わかっておるな!ジョウのモノだ!仲良くするのだぞ!』


そう言うとキラキラした塊が気を失ってるシャリナを包む

そしてエリザの前に4柱の大精霊達が現れた


『ソナタはジョウの従者、フェニックスのエリザですね?私は風の大精霊シルフィード』

『私は水の大精霊ウンディーネ』

『儂は大地の大精霊ノームじゃ』

『私は森と命の大精霊ドリィーネ』


『初めまして、エリザよ、あれはフェンリルのフェル、それで?大精霊達が揃って何の用?』

『私達はずっとこの状況を見てました、ジョウとはまだ会って無いけど感謝してます』

『私達は貴女の声を聞いて出て来たの、そこのエルフが巫女であり精霊と契約してるのは前々から知ってたの、まぁエルフ達は再三の警告を無視して契約してたけど、それでそのエルフがジョウのモノと言うのはどう言う事?』

『ウフフ♪彼女はジョウに認められて此処へ来たのよ、アナタ達にとやかく言われる筋合いは無いわ!』

『大精霊達よ!我等のする事に何か物言いが有るのか?それが気に喰わぬと言うならば仕方ない、オヌシ等を消す事になるが?』


おっおお、フェルさんが盛大にケンカを吹っ掛けた!

神獣2体と大精霊の戦い!これはどうなる!


『フフフ、神獣様と事を構えるなど神様に叱られます、この結界もフォーリア様が成された結界、我等が敵う由も成し、争いに来たのでは有りません、そのエルフが気になりました、しかしジョウのモノとは┅┅』

『その物ズバリよ!彼女は此れからジョウと一緒に生きて行くの、これは私の本当の主、運命神リターニャ様のお告げ、フォーリア様からも別のお告げを受けてる、精霊ゴトキがシャシャリ出る等笑わせるな!』

『我もお告げを貰っておるぞ、それに世界樹が加護してる娘だぞ?それをなんとする!』


『それは┅┅申し訳なく、スミマセンでした!』

『それは精霊王の知らぬ事、まさかそんな事とは┅』

『あのジョウってなんなのよ!』

『あいスマン!謝る、そもそも神獣様が為さる事をとやかく言うなど思っておらんのじゃ、じゃが積み重なるエルフ共の事が許せんかったのは事実

この地をエルフに汚されると思ったのじゃ、世界樹様も認めて為さるならば我等も認めるしか無い、ジョウが戻ったら改めて挨拶しよう、すまなかった』


『判れば良い、我等も精霊とは前から仲良くしておるぞ、まぁジョウに振り回されん様に覚悟はしておくのだな』

『ふぅ~やっと頭が冷めたわ┅まぁ良いわ!どうせジョウに良いように使われるんだから文句はアイツに言いなさい!それと決してこの子には手出しは無用よ!良い!』


『『『『ハハーッ!』』』』


なんかエリザが女王みたい┅┅


大精霊達は立ち去り他の精霊達は相変わらずその辺を飛び交ってる、精霊って自由だから┅┅


『┅┅┅┅なんだか凄い事になってるんですね┅┅』

『あら?見てたの?』

『ハイ┅┅見てしまったと言うのが┅┅それで契約精霊は?』

『フフフ、もう解放されたみたいよ、いないでしょ?』

『┅┅┅ああ、本当にいなくなってる┅┅』

『寂しい?でも本当の事を言うと精霊使いに契約は必要無いのよ、そもそもエルフ族は間違ってたのよ、無理矢理契約ってね?』

『それはそうですね┅でも精霊は見えませんし話せもしません、其れなのに精霊魔法は有るし精霊使いも昔から存在します』


『それは我が説明しよう、ヒト族達が始めた事だが、魔法を使う為には魔力が必要だ、しかしヒト族の魔力量はたかが知れてる、そこで精霊の力を借りて魔法を強化したのだ

始まりは賢者と言われるヒト族が精霊との交信に成功した、エルフ族も僅かに見えてはいた、しかし話せはしなかった

賢者はどうにか説得して協力して貰った、しかしそれを不満とした一部のヒト族が精霊を捕らえ無理矢理契約したのだ、賢者の術が仇になった

エルフはそれを知って、世界樹に棲んでる精霊達に契約を強要した、世界樹を人質にしてなのだよ

それからなのだ┅┅

エルフの能力は格段に上がった、国として申し分無い程に、全ては精霊の力と世界樹の恩恵なのだ

ヒト族はヒト族で精霊を捕らえ契約させる事を精霊魔法だと当たり前とした、それがこれまでの歴史だ』


『そんなぁ┅言われた事と全然違う┅┅』

『フフフ♪本当の精霊使いと精霊魔法を見れるわよ、ジョウがそうなのよ、アイツは契約などしてない、魔法に精霊の力も借りない、でも出来ちゃうのよ、おかしいでしょ?いつも精霊と言い合ってるわ、魔法の邪魔をするなってね、アハハ』

『そんな事が?では精霊が勝手に?』

『そうみたいだ、アヤツの魔法は普段でも強力なのに精霊がちょっかいすると膨大になる、だから怒るんだが、我等はそれが可笑しくて笑うが』

『精霊達が仲良し?』

『そうそう、ジョウは精霊が見えるし話せるし触れる事も出来るおかしな奴なのよ』

『えっえぇぇええ!そんな!』


また気を失わないでシャリナ!


『それより見て、部屋の中や至る所に説明文が置いて有るわ、私や貴女の為によね、この風呂、この魔石に魔力を流すとお湯が出るのよ、そんな事を全部書いてあるわ』

『本当┅凄く丁寧に?とても親切ですね?』

『まぁ色々としてるみたいよ、なんか用意してあるようね』

『世界樹も言ってたぞ、アヤツが色々と町へ行く前に用意したとな』

『それにしても細かいわね、それとバッグが机の上に並べて有るし┅┅フムフム┅┅此れだから惚れちゃうのよね┅┅』

『わ、我は泉へと行くが?』

『何よ!そんなに引かないでよ、惚れてるの知ってるでしょ?で?なんで泉なの?』

『それがな、世界樹が言うにはあの泉の側にエルフの世界樹の苗木が植わってると言うのだ、それを確認しにだなぁ┅┅』

『それは真ですか!世界樹様の御子様が!』

『『チガーウ!』』

『良く聞きなさい!』

『なんでも枯れる前に分身体を大湖の淵に飛ばしたそうだ、それがどうしてか移動したと、それで確認すると言う事だ』

『面白いわね、見に行きましょ!アナタも!』『ハイ!』


洞窟の泉は相変わらずコンコンと命の水を湛えてた

その神聖な空気の中に神力草が群生してる

傍らに小さな苗木、50cm程の弱々しい苗木がいつの間にか植わってる

この苗木はジョウの手に依って植え替えられ大秘境にそびえ立つ世界樹として崇められる

ジョウを父親として懐く世界樹は名前を貰う┅┅【アース】と┅



▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



精霊王様!彼のモノは最早我等ではどうする事も出来ません!


フム、ケモノが邪魔立てしたか、それにジョウだがあれはどうしようも無い、神々が守っておる、さて?どうする┅┅


精霊王様┅┅我等一同の思いはジョウと話しをしたいと存じます

どうかお許しを!


フフ、反対しても勝手をするであろう、だが妾は許しは出さん、勝手にするのはおまえ達の責任だぞ!それに多くの精霊達がなびいておる、最早、妾の力が届かん程だ、一体あのお方はどうされるのか?妾はどうすれば┅┅



▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



エリザとシャリナの生活が始まり、世界樹とはまだ会えて無いが、色々と教わる事が多いシャリナは楽しく暮らしていた


何をするにも自分で考え、自分で行動しなければいけない、初めてばかりだがそれが楽しく面白かった、エリザは付きっきりで教え自分も学んでいった


覚えは早くどんどん吸収していくシャリナ、それも此れもジョウの丁寧な説明文のお陰で、料理や薬草に魔物等を覚える、エリザは訓練も力を入れた

鍛練などしたことが無いシャリナは最初は面食らってたが段々と様に成ってる


そして魔力循環と魔力涸渇法もこなす、初めてだと言うシャリナは案の定洗礼を受ける


『エリザ様┅┅もぅダメェ~なんだかここが~アッハァ~ダメェ┅┅いくぅ~』

『仕方ないわよ、私も初めては同じようになったわ、まぁ慣れたら大丈夫よ、ウフフ♪思いっきり感じなさい!』

『はぁはぁ┅┅ウッ┅また┅アウッ┅もうダメェ~どうにかなるぅ~』

『あら?逝ったわね、感じやすいのね?ビシャビシャよ┅ウフフ♪体は正直ね、見た目は子供でもちゃんと大人のカラダって事ね、フフフ』


そうです!初めての魔力循環は魔力が上手く扱えず暴走して大事なアソコに集まるのですぅ!

その結果!激しく感じて!もうどうしようも無いくらいの衝撃!

果てて終うのですぅ!

ええ!わたくしも派手に飛ばしましたよぉ!あの白いのを、ピュッピュッっと遠くまで!

何をって?アレですがなぁ


そんなで初めての時は男も女も用心!淫らな姿を見られない様に!



『では世界樹の元へ行くぞ』

『やっとお目通りが叶うのですね?』

『そんなに畏まる事は無いの、ジジイよジジイ、気楽にね』

『魔法陣に入れば直ぐだ、行くぞ!』


祠の魔法陣に出たエリザ、フェルはシャリナの様子をジッと見てる


『ここは?一瞬で?なんだか部屋?でもこの感じは?』

『やっと来たのぉ、エルフの巫女シャリナよ、儂が大魔境の世界樹じゃ』

『ヒェッ!世界樹様!ハハーッ!』

『ヨイヨイ、畏まる事は無いのだぞ?儂の事をぞんざいに扱う奴ばかりじゃからな』

『フン!だってジジイでしょ?2万年も生きてりゃ世話無いわよ』

『我も永く生きてるが世界樹程では無い、そもそもジョウの奴が悪いのだ、世界樹を話せる様にしおって』

『そう言うな、話せるのは楽じゃぞ?念話じゃと魔力を使う、疲れるのじゃ』

『えっと┅┅この声が世界樹様┅┅初めてです!話せるなど!光栄です!』

『コレコレ、ソナタはもう巫女等では無い、その辺のエルフと同じじゃ、否ちがうか┅神獣と共におってジョウの世話になるのじゃからな、選ばれたモノじゃな?ガァハッハァ!』


『私が選ばれた?それはどう言った事でしょうか?』

『そうじゃな、エルフの国は滅び民も散り散りに消えた、そして皇族は皆死んでしもうた、ソナタが唯一皇族の生き残りと言う訳じゃ、じゃからな?もう皇族も何も無い、しかし種族はまだハイエルフのまま、どうじゃ、この際に名前を捨て新たに名を持ったらどうじゃ?』

『名前ですか?それは一向に構いません、愛着など有りませんし嫌いでしたから┅┅』

『そうか、ならばジョウから名を貰うと良い、ソナタはいずれあのモノと一緒に町へ出る、冒険者としてな?』

『私が冒険者?出来るのでしょうか?』

『その為に訓練しておるじゃろう?この大魔境で訓練してモンスターを狩る生活をすれば自ずと能力は付く、それに勉強もしておるじゃろうし、一人前に為る迄はここで暮らすのじゃ、何の心配もないじゃろう』

『そうですか┅┅』


『それとエリザよ?お前さんには精霊樹の所へ行っておくれ、大事な話が有るそうじゃ』

『私が精霊樹と?』

『アレも話せる様に成っておる、ジョウから力を貰っておるからな、それに何やらジョウへ贈ったそうじゃ、マッタク勝手な事を!』

『へぇ~そうなの?じゃあ行ってくる、飛べば直ぐでしょ?』

『イヤイヤ、その魔法陣で行けるでな?ここと精霊樹、それに棲み家は繋がっておる、アヤツが繋げて行き来しておった、ソナタ達も使える』

『そりゃ便利だ、じゃあ行って来る』


そう言って消えた┅┅


『シャリナよ?ソナタはどう生きたいのかな?ソロソロ解って来ておるじゃろう?』

『どう生きたいか?それは┅┅』

『我も知りたい事だ、ソナタは勉強もしただろう、この世界の事も以前より解っているだろ?どうなのだ?』

『それは┅┅まだハッキリとは判りません、でも毎日を自分で歩いてる事に喜びを感じます、出来れば世界を見てみたいと思う様になりました、まだまだ未熟です、しかし必ず叶えたいと思う様になりました』


『ウォホホ!そうか!それは良い事を聞いた、しっかり生きておるな、楽しみじゃな?ガァハハ!』

『我も安心したぞ、ソナタの思い叶うと誓おう』



その頃エリザは精霊樹から衝撃な事を告げられる

それはエリザが望む夢でも有った


『精霊樹?』

『おおーっ!やっと来たか!エリザだな?』

『ええ、フェニックスのエリザよ』

『そうかそうか、ジョウから聞いた通りの美人だな、しかし見事に人化しておる、此れなら間違い無い』

『なんだ?私の変化の事で呼んだのか?』

『実はジョウと話しておってもしやと思ったのだ、アイツは精霊達をどんどん進化させておる、まぁ儂がつい実を全部やったからな』

『精霊樹の実!進化の実をジョウにやったですって!あちゃぁ!では木の実だとパクパク食べたでしょ?』

『アッハハ、その通り、それで精霊達にも食べろ食べろと食わせたのだ、それで進化条件達成のモノは進化してしまった、精霊王も慌てておるわ、ガァハハ!』

『そうよね、やたらと精霊が進化して高位精霊ばかりに成れば精霊界は混乱するわよね』

『精霊界の事はどうでも良い、それよりお前さんだ、フェニックスとしての進化条件が揃ってるのだ、進化するか?』

『えっ?私が?進化出来る?』

『ジョウとも話したのだが、お前さんは進化して亜人となるようだ、アイツが言うにはお前さんの体は既にヒトの体だそうだ、それで亜人なのかヒトなのかは判らん、だが可能性は限り無くヒト種に近いようだ』

『私がヒトに!それは本当!』

『アイツも言ってたぞ、エリザの願いが強ければヒトでも亜人でも成れるってな?』

『願い┅┅じゃあどうすれば?』

『簡単だ、儂の実は全部アイツに渡した、その実を食べれば進化する、ジョウに頼めばくれるだろう、アイツはお前さんが好きだからな、ハッハハハ!』

『そうなの?私を好きって┅┅』

『早く進化してツガイになると良い、子も出来るだろう、アイツとの子なら儂も見たいからな?』

『もう!気が早い!でも子を産めるって┅┅ジョウとの子供┅ウフフ♪』

『話しはそれだけだ、何か有れば何時でも来るが良い』

『そうね、ありがとう!今度はエルフの子を連れて来るわ、多分アナタに会いたいだろうから』

『エルフの巫女か┅┅今はジョウが保護してるのだな、ならば会おう、そうで無かったら会わんのだがな』

『やはり嫌われてるのね、でも今は違うからね、宜しくね?』

『まぁ本人次第だ、変わらねば容赦せん、それは忘れるでない』

『分かったわ、じゃあ!また来るわ』


エリザがツガイ?ってのは嫁さん?それって?

だってアーリアもだよ?2人の嫁さん?えっぇぇええ!




それってどうなの!







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