大魔境グランツ

さて┅うん?これは?なんだろう?


【異世界転生マニュアル】

これって俺の為に┅┅

倒れていた傍らに一冊の本が有ったけど?マニュアル!

パラパラと見てみるとそこにはフォーリアさんからのメッセージがあった


『この本にはザックリとこの世界の案内を書いておきます

今のアナタは大魔境グランツのほぼ中央にいます

その滝の周りには結界が施され魔物等の有害な物は入れません!安心して下さい そこから見える高台には洞穴が有りそこを暫くはアナタの住まいにすると良いでしょう

中には必要な物を用意して置きました、だから直ぐに死んだりはしませんからね♪安心して下さい

ですが結界を出ると強力なモンスター、魔物達が多くいて危険ですので用心して下さい

まぁアナタならどうにかなると理解してますので 最後に!アナタの新しい命がこの世界で楽しく幸せになる事を願います フォーリア』



フォーリアさん┅あのおっぱい┅


はぁ┅┅┅┅┅大魔境?確かに俺は町から離れたと言うか人がいない所とは言ったが!なんで魔境なんだよ!

周りにはモンスターだって!ふざけるな!直ぐに死ぬのが決定じゃないか!乳デカ女神!なにしてくれてるんだ!普通は町から離れた小さな村とかだろうが!スカポンタン!

はぁはぁ┅


まったく65のジジイに何を望むんだ?

ホントなら今頃は部屋でカップラーメンでも食べてテレビ見てる時間だぞ!┅ワイドショーだけど


はぁ~まいった┅サバイバル生活しろって事だよな?チクショウ┅

とにかくあの高台の洞穴とかに行かないとな┅必要な物ってなんだろう?


それから重い足取りで高台へと続く崖?ゴツゴツと岩だらけの急斜面をどうにか登った┅ああ頑張った!頑張ったどぉ!

ヨイショっと!はぁはぁ┅

そこは岩のテーブルと言って良いようなツルツル!平らで均一な地面が広がり奥の高い壁に洞穴が見えた


ホウホウ┅成る程、良いねぇ、結構眺めも良いし雨が降っても土じゃ無いから水も流れる、ぬかるみも出来ない

広さも丁度良いねぇ、さてと┅洞穴生活って大丈夫なのか?


恐る恐る洞穴へと入ると?オッ!

中へ進むと順に灯りが灯る?タイマツでは無くてそう!ライト!少し黄色っぽいが蛍光灯の古くなった感じ?かな┅


奥には部屋が有りべッドも備えられて見渡すと1LDKかな┅はぁ┅ため息ばかりだなぁ

他にも部屋が有りそこは書庫みたいだ

かなりの本や図鑑があって奥のスペースには何やら器具が置かれていた

しかし!風呂はなかった┅┅くそっ!

なんで風呂がないんだよ!

確かにこの世界では風呂は馴染みがないのは分かる!

分かるけど俺は風呂が有る世界の人間なんだからそこは察して欲しかった!


仕方ない、これは作るしか無いかな┅

余計な仕事をさせやがって


テーブルにマニュアルを開いて読むと、この世界の大気には魔力とマナが流れていてそれを生き物は糧としている┅フムフム

地球では空気だけで呼吸してたがこの世界では魔力が無くなると死ぬ┅┅┅?

死ぬのか!魔力大事!


魔力はこの世界の生き物全般に備わっていてその魔力で生命活動をするらしい

先ずは魔力を感じて体内に巡らせる事を習得する事┅┅つまりやりなさいと言う事か

魔力を巡らせる、これを魔力循環と言う、魔力循環を常に心掛け常に体内に巡らせる事!何とかの呼吸とかと同じかぁ


それと俺には魔力がある程度有るので生活魔法とかは直ぐに出来るらしい?

えっと?【生活魔法】?


この世界のヒト族、亜人種、獣人族等は一定の魔力を得ると誰でも使える

火種、水、クリーン(洗浄)、ライト(照明)この4種類がセットになってるのかぁ、これは便利だな!

このクリーンがあれば確かに風呂は馴染みが薄いだろうなぁ


次は┅食べ物?なんだってぇ!

肉は魔物肉!って事は魔物やモンスターを狩ってそれを食べろと!


マテマテえい!狩りをしないと肉は食べれないと!チクショウ!

野菜とかも無いぞ!その辺の草でも食べろってか!ふざけるな!


まいったなあ┅食料事情の改善を求む!これじゃあ野垂れ死ぬぞ!

女神の横暴反対!何が大丈夫だ!


でも!魚!魚なら何とかなるのか?確かに確実なのは魚だよな、しかし塩とか調味料が?┅┅┅┅ない┅泣くぞ!


はぁぁ┅何から何まで最初から┅

先が思いやられる


マニュアルには魔力の大事さと、最低限の必要な事が書かれていた


分かったのは魔力を高め運動能力の鍛練と書庫にある書物で生きる為の知識とこの世界の理解を深める事

生きる為にする事は食料の確保と自身の能力向上かな


それでは!異世界ファンタジー特有のお決まり!ステータス確認!

さぁ!俺のチートステータスよ!見せて貰おうじゃあ無いか!


ステータス!オープン!

┅┅┅┅┅┅┅

ステータス!┅┅┅オープン!┅┅┅

開け!出ろ!開示!ボード!


はぁはぁ┅なんで?なんで何も起きない!ステータスが無いのか?


ステータス!オープーン!オープン!

┅┅┅┅┅┅┅┅┅


ハハハ┅なんも無し┅こりゃ死んだな


まったく能なしでサバイバルしろとか!モンスターや魔物を食べろとか!食える草とか食っとけ!とか┅┅┅┅┅俺を殺す為にこんなジャングルへ落としたのか!


なぁ~にが結界があるから安心だ!なぁ~にがアナタなら大丈夫だ!

直ぐに餓え死にだぞ!食べないと死ぬのは当前!まぁ水は腐る程あるけど!魚も売る程にいるけど!

クソッ!クソッ!┅┅┅┅┅寝る



目を覚ますと外は暗く夜だと分かった

グルルキュウ~

はぁ~腹へった┅何にも食べて無いし

頭をフル回転させたから┅


そうだ!確かバッグがあった!あの中に食べ物が有るかも!


ゴソゴソと棚に置いてあったバッグをテーブルに置いて中を見ようと?

なんじゃこりゃ!真っ黒!

そうなんです!バッグの口を開くと中は真っ黒で何も見えないと言うか不穏な気配!

手を恐る恐る入れても反応無し!

これはもしかしたらマジックバッグじゃ無いのか?

それでバッグに手をあて魔力を感じると頭の中に飛び込んできた!


ナンデストォ!フムフム┅これがお金かな?金貨とか有る、これは?これは!やった!食料だ!

乳デカ女神とか言ってズミバセン!

貴女は素晴らしい女神様ですぅ!


肉=オーク肉、野菜=ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、調味料各種と直ぐに料理すれば食べられる!そして米とパンも!おぉぉ~神よ!

他にも何やら有るようだが!今は食料確保が死ぬ程嬉しい!


このバッグはどうやら時間停止機能が付いて容量もかなり有るようだ

とにかく料理!腹が減ったから!


食器や調理機材も揃ってたからセッセと料理する?って┅これがコンロ?

このスイッチを押すのか?カチン┅

おおっ!ついた!カセットコンロ並なんだな!

火力も有るし調整もレバーがあった!

よしよし!フフフ♪飯にありつける!


簡単にステーキとスープを作りご飯を炊いてものスッゴク美味しく食べた

鍋底はかなり焦げた┅鍋じゃなぁ

しかし!いゃあ満足満足!満腹じゃあ!


オーク肉がこんなに美味しいなんて思わなかった、豚肉に近い味だったよ!

さしずめポークステーキだな


でも食べれば無くなるよなぁ┅やっぱり狩らないとダメか┅┅


片付けてからバッグの中身の確認

所持品だから丁寧に!

お金は金貨50枚、銀貨200枚、銅貨100枚鐵貨50枚もあった┅価値が分からんし!これは町へ行ってからかな?


服も下着が5着ずつ、靴下も5着、上衣は白いシャツが3着とズボンも3着

そしてマント?こりゃ異世界らしい、黒いマントが1枚に防具かな?革の胸あて┅下着は勿論!地球産!シャツとかズボンは地球の物とは違ってるかな


部屋には無造作に剣や槍、弓とかがひとまとめに大きな傘立て?みたいなの入れられてた

武器は勝手に!ってな感じだろう

腹が膨らみ気持ちも安定して来て冷静に見れる様になるとこの洞穴が凄く贅沢な物だと理解した


ベッドがあり布団もだ、ダイニングとキッチンは地球にいた時より良くてソファーまで置いてある┅風呂は無いけど!


灯りやコンロとかは魔石を利用した魔道具らしい?魔道具とかも勉強かな

そしてマジックバッグが有るのは心強い!草を集めるのも便利だ

ここはアニメとかの知識をフル活用しないと!

でもアイテムBOXとかじゃあ無いんだ、こう無限収納とか空間収納とか出来ないものかねぇ?能なしだけど!


まぁだからこのバッグなんだろう、魔力循環をしっかりマスターして!ついでに全集中の呼吸とかもできたらなぁ、それと鍛練だな、何10年ぶりに鍛えるのか?

昔は走って竹刀を振ったりしてたが┅


エヘヘ、俺はこう見えても若い頃は剣道や柔道に空手とかを噛っていたんだ

まぁ爺ちゃんが厳しくて仕方なくだけどね


俺の親は事故で死んで兄弟姉妹も┅

だから爺ちゃんと婆ちゃんに育てられたと言っても過言ではない


古い頭の爺ちゃんだから厳しくしつけられた、婆ちゃんもそんな感じ

お陰で勉強はソコソコ出来たから良いけどスパルタの鍛練はいつも逃げてたんだ┅アハハ、今思えばもっと真面目にしとけばな~んてねっ!


やることは魔力循環、鍛練、勉強の3本柱!食料調達はボチボチと!

先ずは魔力循環に精を出そう!それからだ!夜は長い!


そうして眠るまで魔力循環を没頭して知らぬ間に寝てた

それが転生最初の一歩!始まりだよ


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


どうにか納得しましたね┅

でもちょっと色んな意味で鈍いわね┅


仕方ないかも?だってお爺ちゃんだものねぇ┅見た目も意識も若く成ってるのに┅はぁ~


デモデモ!あの姿は私の最高傑作よ!

元々美形だったのに勿体ない!

無自覚で自己評価最低だったのよね

もっと自分を認めてたらあんな人生じゃあ無かったのに┅可哀想┅


知能も高く優しくて何にでも感謝ばかり、それが却って男らしくないとか馬鹿にされて、やっぱりあの世界では生き辛かったんじゃない?

自己表現を前に出さないと駄目で我が道を往く!みたいなのが持て囃されるのよねぇ


あんなに可愛い顔してるのにうつ向いちゃってたら暗い子だとしか見えないわよ

ホント!勿体ない私のジョウ!

これからは私がいっぱい!可愛がるわよ!ウフフ♪私のジョウ♪キャッ!



なんだか背筋が冷たいけど?

モンスターなのか?冷や汗が止まらん!緊張してるのかな?



寝よ┅┅┅┅







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る