第13話 炎上のビデオ

水松つぼみの携帯電話が、深夜に突如鳴り響いた。画面には彼女の同僚からのメッセージが表示されており、その内容は彼女を寝床から急いで引き上げるほどのものだった。インターネット上に、ギロチン仮面が人を襲う様子を捉えたビデオがアップロードされ、すでに大きな注目を集めているというのだ。


つぼみはすぐにそのビデオを視聴した。画像は粗く、夜の暗闇の中での出来事のため、詳細ははっきりしなかったが、確かにギロチンを使用している様子が映し出されていた。ビデオの最後には、不気味な音声が加えられており、「正義は我々の手によって実行される」というメッセージが残されていた。


このビデオが公開されたことで、市民の間には恐怖が急速に広がった。すでに緊張感が高まっていた八甲田山周辺の地域社会では、人々が外出を控えるようになり、夜間の外出禁止令が一部で発令された。


つぼみは警察本部へ急ぎ、この問題について父親や他の捜査官たちと話し合いを持った。このビデオが何者かによる挑発である可能性、あるいはギロチン仮面の一味が更に支持を集めようとしている可能性が考えられた。


つぼみたちはビデオがアップロードされた場所を特定するためにテクニカルチームと協力し、動画の元データとIPアドレスを追跡した。その結果、ビデオが地元のある廃工場からアップロードされたことが判明し、つぼみは捜査チームと共にその場所へ急行した。


廃工場に到着すると、彼らはすぐにその場所を囲み、慎重に内部へと進入した。工場内は薄暗く、さまざまな機材や古びた家具が散乱していたが、人の気配はなかった。しかし、彼らはビデオ撮影に使われたと思われる機材の一部を発見し、またその場所からさらなる証拠を見つけ出した。


このビデオが何を意味しているのか、犯人の真意は何なのかを解き明かすため、つぼみはさらなる証拠と犯人のプロファイルを検証し続けた。彼女はこの恐怖の拡散が何者かの計画の一環であることを感じ取り、その背後に潜む真実を暴くためにさらに努力を重ねた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る