第8話 繋がる糸

八甲田山の冬の夜は静かで、星空が広がる中、水松つぼみは自宅で事件の情報を整理していた。彼女の部屋には地元新聞の切り抜き、古い地図、そして手紙のコピーが散乱している。彼女の眼前に広がる情報の海から、事件の背後にある謎の糸を紐解く手がかりを見つけ出すことが彼女の使命だ。


この晩、つぼみは新たに繋がる点を発見した。手紙の名前リストに記された人物が何年か前に主導した中止された開発計画が、実は地元の環境保護団体と重大な対立を引き起こしていたのだ。これらの団体は、開発による環境破壊を懸念しており、何人かの活動家が行方不明になったという噂があった。


次の朝、つぼみはこれらの環境保護団体の現在の代表者に会うため、地元のカフェに向かった。対面したのは中年の女性、香坂美雪で、彼女は過去の抗議活動について率直に語ってくれた。美雪はまた、消えた活動家たちがどのようにして突然姿を消したのか、その背後に何があるのかを疑問視していた。


美雪の話から、つぼみはギロチン仮面がこれら行方不明の活動家たちと関連がある可能性が高いことを感じ取った。もしかすると、仮面をかぶる者は自分たちの仲間を守るため、あるいは失われた命の復讐のために行動しているのかもしれない。


カフェを後にしたつぼみは、再び事件現場へと向かい、さらなる証拠を探した。雪が積もる中、彼女は偶然、半ば雪に埋もれた古いカメラを見つけた。このカメラから何らかの手がかりが得られるかもしれないと考え、彼女はそれを警察の技術部門に持ち込むことにした。


技術部門での調査の結果、カメラのメモリーカードからは、開発計画に反対するデモの様子が記録されていた映像が発見された。その中には、暴力的な衝突のシーンも含まれており、警察や開発会社の関係者がデモ隊に対して過剰な力を使っている場面が映っていた。


つぼみはこの映像が事件の鍵を握る重要な証拠になると確信し、映像に映っていた人物の特定を急ぎ始めた。真実が明らかになるにつれ、彼女の心はときに重く、ときに希望に満ちて、震えた。しかし、彼女はあくまで真実を追求することを誓った。事件の解明は近づいていると感じていた。

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