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 ギャルは働き始めた。

 俺の家で働くとは——。

 家の家事、洗濯、飯を全部担当すること。

 某有名な企業で働く俺にとって、女の子を一人養うのは簡単なことだった。

 これが大人としてあるまじき行為だとは理解している。だが、俺は無理矢理彼女を家に返すことができなかった。

 必死に嫌がってたから。

 それなりの事情があるんだろうってな。


◇◆◇◆◇◆


 俺とギャルの不思議な同居生活が続いた。

 そして、三ヶ月が過ぎようとしていた頃。


「あのさ……おじさん。大切な話があるの」

「大切な話? 何だよ、ギャル」

「そのね……えと、そ、その……」

「何だよ、今日のお前はいつもと違う」

「私のおじさんは悪い人じゃないなと思った」

「もっと早くに気づいてほしかったぜ」


 ギャルからの信頼を得たようだ。

 だが、彼女は僅かに視線を逸らしたまま。


「ねえ、おじさんの目的は何なの?」

「はぁ? 目的? 誰の? 俺の?」

「うん」


 ギャルは頷く。


「私を家に泊まらせる理由は何かな?」

「家出少女が危ない大人に——」

「本当にそれだけなの?」


 家出中のギャルを匿う。

 お金を貰っているわけでもなく、カラダを要求しているわけでもない。

 それなのに彼女の味方になっている。

 慈善事業にしても、やり過ぎな部類だ。

 こんな頭のおかしいことをしていることに対して、家出少女は疑いの目を向けているのだ。どうしてこの人は自分を助けてくれるのかと。どうしてこの人は手を差し伸べるのかと。


「——お前を手放したくないからだよ」


 回りくどい言い方はやめた。

 俺は素直な感情を吐き出した、

 言われた本人は頬を真っ赤にさせ、目を大きく見開いている。


「俺さ、お前のことが好きなんだよ」


 25歳の男が何を言っているのだ。

 歳下の女の子に向かって。

 よりにもよって、女子高生だぞ。

 それも、17歳の歳若い家出少女に。


「帰ってきたら、お前が家に居る。そんな日常が好きなんだ。そんな日常が心地良いと思ってるんだよ、俺は。バカだよな、本当に」


 こんな日常を続けられるはずないのに。

 俺は冴えない社畜なサラリーマン。

 相手は、家出中の女子高生のギャル。

 最初から破綻しているのに。

 俺はその日常が一生続けと願うのは。


「ギャル、お前はもう家に帰れ」

「どうして?」

「これ以上お前と関わったら、俺は壊れちまう。お前をどうかしたくなっちまう。大人なのに。最低なことをしてやろうってな」

「いいよ、別に。最低なことしても」


 ギャルは囁いてくる。


「この若いカラダにいっぱい最低なことしちゃいなよ。今まで我慢してきたのは認める」


 たださ、もういいんだよ。

 本能に従っても。

 自分が思うがままに。

 彼女はうっとりした声で続けてくる。


「もう我慢しなくていいんだからさ❤︎」


 この日——。

 俺とギャルは一緒になった。

 濃ゆい夜を過ごした。

 彼女は自分の悩みを教えてくれた。


 両親が共に不倫していたのだという。

 で、一人っ子のギャルは、どちらが責任を取るかで揉めたらしい。邪魔者を押し付けるように、二人は彼女を押し付けたようだ。

 結果、彼女は誰にも迷惑をかけない道を選び、家出という手段を選んだようである。


「心配するな、お前には俺がいる」

「うん。おじさんには私がいる」

「「だから、二人は一緒に生きていける」」


◇◆◇◆◇◆


 俺は冴えないサラリーマン。

 だが、今の俺には大切な嫁がいる。

 7歳も離れた若い嫁が。


「おかえりなさい」


 この一言を聞くだけで、俺は幸せになれる。明日も明後日もこの明るい声を聞けるだけで。


【完】


————————————————————

あとがき


 不作だね。

 某有名な作品のアイデアをほぼほぼパクった内容になってますね(´;ω;`)

 うーん。

 やっぱりプロトタイプ作品はやめたほうがいいかもしれない。

 内容が薄すぎて、ラブコメ作品としての価値が極めて低いなと思います。

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