歳下女上司にお叱りの言葉を受ける日常
歳下女上司にお叱りの言葉を受ける日常
四十代中盤の俺は病気を患い、新卒から働き続けた企業を退職することに。
その後、新たな職場を探そうと躍起になり、遂に転職が叶ったわけなのだが——。
「はぁ? まだ見積書できてないんですか? あのーマジで最悪なんですけど……」
俺の上司は23歳。
社会人生活2年目の歳下上司で困ります。
「ごめんなさい。今後こんなミスはしませんから。そのだ、だから……」
「年齢だけは高いくせに、仕事は全くできないクズとか……本当に消えてくださいよ!」
◇◆◇◆◇◆
数日後、また同じミスをする俺氏。
「見積書は?」
「あっ!! ご、ごめんなさい!! 来週までだと思って、そのままにしてました」
「はぁぁぁぁぁ???? ったく……マジで一旦死んでください。あたしはあのとき、言いましたよね? 何度も口酸っぱく言いましたよね?? 二度と同じ間違いはするなって。バカなんですか? あなたは!!!!」
歳下女上司は血相を変える。
それから深い溜め息混じりに。
「あのマジで何しに来てるんですか? 仕事をしに来ているんですよね? それなのに、どうして新たな仕事を作るんですかねー?」
◇◆◇◆◇◆
数日後、昼休みにたらふく飯を食った俺は居眠りをしてしまっていた。
バッシーン!!
「いたたたたたっ!! じょ、上司さん!」
「はぁぁ???? 何様ですか、あなたは。仕事ができないくせに居眠り? ふざけるのもいいかげんにしてくださいよ、このゴミクズ風情の人間が!!」
歳下女上司は礼儀やマナーに手厳しい。
更には、一度火が付くと面倒なタイプだ。
「アナタがいなくても、この職場は回るんで……もう来なくてもいいですよ」
ていうか、と鋭い眼差しを向けたままに。
「早く辞表出してくれます? 邪魔なので」
◇◆◇◆◇◆
仕事中にあくびが出てしまった俺氏。
「あなたと一緒の空気を吸っている。その事実があるだけで、ヤル気が失せました」
「ご、ごめんなさい……悪気はなくて」
「悪気があったかなかったかは関係ない。この部屋から出ていってもらえますか? 一緒の空気を吸ってるだけで不快になるんで」
「……と言われても、俺にも仕事あるし」
「今すぐに死ねばいいと思いますよ!! そうすれば、全部丸く解決するはずなんで!」
◇◆◇◆◇◆
月末の納品書を忘れていた俺氏。
在庫確認をしていなかったのを理由に、歳下女上司に詰められてしまう。
人気がない階段で、彼女は冷たい言葉を言い放ってくるのだ。
「仕事ができないなら、できないと最初から言ってもらってもいいですか? できないことを隠し続けた結果がこれですよね?」
はぁぁぁぁと、深い溜め息が炸裂。
俺の心が折れかけていると、彼女は言う。
「どうして分からないんですか? もうここで働き始めてから3ヶ月は経ちましたよね? それなのに、まだ基本中の基本もできないんですか? 赤ちゃんの方がもっと利口ですよ」
小馬鹿にされる言葉でも狼狽えてはいけない。鋼の心を抱いたままに貫き通すのだ。
「存在するだけで相手をイラつかせる才能って、本当に素晴らしいと思いますよ。その才能を伸ばして、世界中で活躍してください」
歳下女上司に詰め寄られてしまうダメでドジで使えない雑魚な社畜サラリーマン様。
【完】
※断じて、私の日常ではないと思いたい。
オチもヒネリも何もない一発ネタ小説。
歳下女上司という設定が大好物。
自分よりも若い女の子に詰め寄られるって、最高なのですよ。あぁ、本当好き!!
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