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「ただいまー」


 自宅へと戻ってきた。

 俺の後ろには金髪ギャルもいる。

 だが、彼女は男の家に入るのに抵抗があるようだ。難しい表情を浮かべながら、入るか入らないかを必死に悩んでいるのだ。


「ほら、何を立ち止まってるんだよ?」

「いや……そ、その……男の家に入るのは」

「あのさ、勘違いされたら困るけど……」


 自分の世間体もあるので、先に言おう。


「俺は女子高生に手を出す輩ではないぞ」


 俺は大人である。

 女子高生に手を出したら、犯罪者になる。

 そもそも論だが、犯罪を犯してまで、手を出す必要はないのだから。


「お、お邪魔します」


 金髪ギャルは躊躇い口調で言う。

 俺はどうぞどうぞと前へと進み、部屋の案内をした。と言えども、俺の家は1Kだが。


「オジサンの家って……意外と綺麗なんだ」

「オジサンって……俺はまだ25歳だぞ」


 キャピキャピな女子高生には——。

 25歳というのは、もうオジサンなのか。


「お前はもう飯食ったのか?」

「まだ食べてない」

「うどんでいいなら作ってやるよ」


 冷凍うどんをレンジで温める間に、俺は小鍋でスープを作ることにした。ヒガ●マルの出汁をベースに、その後にみりんとしらだしを少々。

 フツフツと沸騰した状態になると、タマゴを二つ投入。だが、潰すことは決してしない。月見状態を保ったままにするのだ。

 その後——。

 スーパーで購入した半額の丸テン、とろろ昆布、わかめ、ネギ、海老入り天かすを入れ、最高に美味しいうどんの完成である。


「オジサンのくせに……意外と美味しそう」

「オジサンのくせには余計だ、生意気ギャル」

「生意気は余計。オジサン」

「いいから早く食えよ。伸びるだろ?」


 ズズー。


「はぁー。食った食った」

「ごちそうさまでした」

「明日も早いし、俺は風呂入ってくるわ」


 シャワー。

 ジャババババ。

 風呂上がりー。


「お前も風呂入ってこいよ」

「えっ? お風呂? えっと、えっと」

「服の心配なら安心しろ。俺の服を貸すよ」

「そーいう問題じゃないん……」

「いいから早く入ってこいよ。俺は先に寝てるからな。んじゃあ、さっさと入れよ」


◇◆◇◆◇◆


【金髪ギャルSIDE】


 シャワー。

 ジャバババババ。


「今日初めて奪われちゃうの……?」

「それも歳上の男性に……?」

「25歳と言ってたし……私と8歳も違う」

「でも……それでもいいのかな」

「初めては好きな人にあげたいと思ってたけど……泊まらせてもらう代わりには……し、仕方ないよね。覚悟を決めなくちゃいけないよね……う、うん。もう覚悟を……」

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