2
幼馴染みに監禁された。
それは紛れもない事実で、俺は朝も昼も夜も関係なく、犯され続けている。
一番最初は抵抗していたものさ。
だが、幼馴染みの愛情は重たく、俺は彼女の愛から逃れることができなかったのだ。
健全な男子高校生ならば、同年代の女の子と性行為に及ぶのは、さぞかし肉体的な快楽があるのだろうと思うことだろう。
だが、そんなものは最初だけであった。
自分の息子は真っ赤に染まり、おしっこをするだけで、尿道が裂けるように痛いのだ。
実際何度も射精に及んでいるのだが、血の色が混じっている気がしてならないものだ。
それにも関わらず、愛に飢えている幼馴染みは気を緩めてくれないのだ。逆に回数が増えるたびに、激しく、深く、そして甘く、俺を包み込んでくる。
「えへへ、99回目の中出し射精頂きました」
恍惚な表情を浮かべ、口元からはヨダレを垂れ流す幼馴染みが、俺をゆっくりと抱きしめてくる。たわわな胸を押し付けられるものの、全くドキドキしない。逆にジンマシンが出てくるのではないかと思うほどである。
「なぁ、マユミ。この生活はいつまでだ?」
「ユウジがアタシを孕ませてくれるまで」
「……お前さ、それ本気で言ってるのか?」
「本気だよ、アタシの夢はユウジのお嫁さんになることなんだから」
俺とマユミは幼馴染み。
腐れ縁ともいってもいいだろう。
何度も喧嘩して、何度も仲直りもした。
そんな幼馴染みの口から漏れた言葉——。
「悪いが……俺はマユミと結婚できない」
「あのブスのことが好きだから?」
「ブスじゃないよ」
「地味で陰気臭いただのブスじゃん」
俺が恋したのは——。
図書委員の女の子。
俺と同じくライトノベルが好きな少女。
イマドキ珍しい三つ編みで、黒縁眼鏡。
ザ文学少女ともいうべき姿。
俺はそんな女の子と付き合っているのだ。
「あのブスのどこがいいわけ?」
「優しいところ」
「出た。優しいところとか言って逃げ出す奴。どこが優しいのかな? どこが良いところなのか、全然分からないんだけどなぁ〜」
嫌味たらしい言い方だ。
幼馴染みは俺の彼女を敵視しているのだ。
あんな女よりも自分の方が良い女だと自覚しているのだ。容姿だけを見れば、その通りかもしれない。
俺の幼馴染みは、超が付くほどの美少女で、学内屈指の美貌持ちと呼ばれているし。
それに比べて、俺の彼女は普通だ。何か秀でた才能も、何か特殊な部分もない。
ラブコメ漫画では無個性ヒロインと揶揄されるかもしれないけど、俺は彼女が好きだ。
「——お前みたいに強要しないところだよ」
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