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 クラスの一軍連中は、男女合わせて六人。

 男子三人、女子三人の典型的な一軍連中。

 教室内でいつも馬鹿騒ぎする連中で、俺は奴等のことが大嫌いだった。

 と言っても、俺が嫌いだったのは男子たちだけで、女子共は大好きだったがな。今でも、俺はちょっとヤンチャなギャル系の女は大好き。


 と、まぁ〜そんな話はどうでもよくて……。


「で、クラスの一軍連中はどうやって倒すでござる?」

「ぼきゅは、ここは我らがリーダーライト氏に任せるよぉ〜」


 仲間は役に立たなかった。

 頼めば、何かと役に立つのだが……。

 基本的に奴等は他力本願で、自分から動こうとしないのだ。

 実際、何かを思いつくのは俺からだった。


「とりあえず、奴等が長門をイジメている決定的な証拠が必要じゃね?」


 ということで、方向性が決まった。

 三軍の非モテな俺らが、一軍連中と戦うのだ。

 相手の弱みを握るしかないと思い、俺たちは行動に移すのであった。

 兎にも角にも、奴等を地獄へと突き落とす方法はないかと。


◇◆◇◆◇◆


 俺たちはペン型のカメラをドンキで購入した。

 で、それを机の中やロッカーの中に入れ、奴等が度々行うイジメの数々を撮影。決定的な証拠が取れ、俺たち三人はマジで歓喜。


 で、これをどうやって周りの奴等に伝えたらいいのか、計画を立てることに。


 で、とある日の給食時間中。

 その計画は起きるのであった。


 俺たちの中学では、給食時間中に放送が入る。

 現在人気な音楽や放送部の方々が、ちょっとしたトークをするのだ。

 で、それがちょっとした給食時間中のお楽しみだったのだ。

 で、その日も、放送部の声が良い女の子が喋っていた。

 だが、その声が突如として消えてしまうのだ。

 そして——とある音声が流れ始めるのであった。



『長門さん、マジでキモい!!』

『なぁ、お前さ。マジで死ねよ!!』

『さっさと死んだほうがいいよ、アンタは』

『万引きしてきてよ。あたしたちの代わりにさ』


 長門をイジメる奴等の音声が流れてきたのだ。

 誰もが間違えるはずがない。

 この突如として起きた出来事に、全員が「???」という表情を浮かべていた。長門は手に持っていたパンを落としていた。


 俺と緋村とダルは三人で顔を見合わせ、ニヤケが止まらなかった。

 というのも、これも全ては俺たちがやったことだからだ。


 長門がイジメられている。

 それも、大人の前では良い子ちゃん面する奴等がイジメている。

 それが大々的に判明するべきだと思い、俺たちは決意したのである。

 長門がイジメられている。その事実を、学園中誰もが知る事実にしようと。


 で、それを達成するためには、どうすればいいのか。

 答えは簡単に出てきた。


 放送室を乗っ取って、長門がイジメられている事実を公表するのだ。

 だからと言って、俺たちが放送室へと乗り込み、マイクを奪い取る手段ではあまりにもリスクが高すぎる。ていうか、俺は人知れず活躍するダークヒーローに憧れていた。だからこそ表に出ることは絶対にしたくなかった。


 で、俺のその願いを叶えてくれたのが、ダルだったのだ。

 ダルは機械イジリが得意。

 で、ダルが言うには、学校の放送は周波数さえ合わせれば、簡単に乗っ取ることができたらしい。詳しい話は、俺にはさっぱり分からないんだが……。


 FMトランスミッターを使って、放送室を乗っ取った

 俺にはさっぱり分からないのだが……。

 ダル曰く、1980年代ぐらいにミニFMというのが流行ったらしい。

 このミニFMというのは——。


 微弱な電波を利用して、自分たちの声を電波に乗せるというもの。

 当時まだネットがなかった時代では、それを利用して、ディープな方々が自分の好きを語っていたという。実際に放送法に違反するほどの電波を送信した結果、摘発された若者もいたほどだと。


 で、その技術を応用して、俺たちは放送室を乗っ取ったわけだ。


 んでんで——。


 このイジメに関わっていた六人の男女は、先生たちにめちゃくちゃ怒られた。

 学校に親まで呼ばれて、大問題に発展。

 学園中にイジメていたことが発覚して、奴等の居場所が完全に消える。

 更には、一週間にも及ぶ自宅謹慎という形に。


 で、大変面白いことに——。


 六人はお互いに疑心暗鬼状態に陥った。

 というのも、誰があんな音声を持っていたのかと。

 で、お互いを怪しむようになり、毎度の如く、喧嘩に発展!!

 俺たちは彼等の仲間割れを見て、ゲラゲラ笑っていた。


 で、中学二年生の三学期!!


 俺は学級委員に就任ッ!!

 で、理由は分からないんだが、長門も何故か学級委員になることに。

 話で聞いた限りだと、くじ引きで決まったという話だった。

 でも、噂上では、俺が立候補したあとに、自分から名乗りあげたとか。


(俺たちの学校では、男女一人ずつの学級委員を決める必要があった)


 以前まで、クラスの中心にいた奴等は落ちぶれた。

 奴等は全然学校に来なくなったし、来たとしても腫れ物扱い。


 で、その結果——。


 俺、緋村、ダルを中心としたオタク軍団がクラスの中心に!!

 で、俺と長門は学級委員ということもあり、仲良しになった。

 今まで長門はイジメられていたものの、容姿だけは可愛い系だった。

 で、今まで一軍連中に目を付けられるのが嫌かまってあげられなかった人々が続出。この結果、長門は一気に人気者になるのであった。


 だけど——。


 長門は、もう既に心の中に決めた人がいるらしく……。


「ライトくんのことが好き❤︎ 好き❤︎ 好き❤︎ 好き❤︎」


 という感じで、メンヘラ化するのであった。


 というのも——。

 長門は、俺が彼女のことを助けたことを知っていたらしい。

 放課後、こそこそしている姿を見たことがあったらしい。


(完結)


————————————————————————————————————


 あとがき


 出落ち感が否めない作品。

 もう少し練らないとダメでしたね。

 MFトランスミッターを使って、放送室を乗っ取る。

 このアイデアは面白かったんだけど……ちょいと惜しかったなぁと思います。


 もっと詳しく書いたら面白く書けるのかもしれないけど……。

 ちょいと面白味に欠ける作品でした。う〜ん、ちょいと残念でした(´;ω;`)

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