SNSの自殺オフ会に参加したら、参加者が俺と美少女二人だけだった件

 同情を求めているわけでも何でもないのだが、高校入学から一ヶ月も経たないうちに、僕は嫌な奴等(不良だな)から目を付けられ、お金を持ってこいと脅されるようになってしまった。「もしも持って来なかったら痛い目見るぞ」とこれまた漫画やアニメなどでありがちなセリフを実際に吐かれたものの、僕の家は一般家庭。毎日毎日数万円というお金をせびられたとしても、無理な話だった。


 というわけで、理不尽な暴力に屈する日々を送っていたわけだ。


 でも、もう精神的にも肉体的にも限界が訪れ、もう奴等には二度と会いたくないと思い、僕は学校に行くことを辞め、家に引きこもった。


 両親や学校に相談すればいいのかもしれないが、案外奴等も用意周到で、「大人にチクったらお前の家族をまとめて殺してやるから」と言われてしまい、八方塞がりな人生を歩むしかなかったのだ。


「というのが、僕が自殺したい理由だ。もう何もかもが嫌なんだ」


 初対面にも関わらず。

 子供連れが多い地元では有名なファミレスにも関わらず。

 ましてや、僕の前に居るのが、絶世の美少女にも関わらず。


 誰にも言えなかった不登校になった理由を説明することができた。

 茶髪セミロングの彼女はドリンクバーコーナーから取ってきたアセロラジュースをストローでちろろろと飲んだあと、ゆっくりと微笑んで。


「苦労してるんだね。キミも」


 優しい声だった。

 何もかもを受け止めるかのようなだ。

 まるで、今から本当に死ぬ人間とは到底思えないほどに。


「それじゃあ、最後の晩餐も終わらせたことだし、一緒に死のうか」


 先程までの優しい声も微笑みも何もない。

 あるのは、闇一色に染まった瞳。

 それから写真で切り取ったかのように固まった真顔のみ。


 見た目が冴えない僕と違って、彼女は神様が懇切丁寧に作り上げたと言っても過言ではないほどに、見た目が麗しいのに。


 どうして彼女は『死』を望んでいるのだろうか??

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