マッチングアプリでヤリ捨てした女が、バイト先に入り浸っている件

 俺氏、大学二年生。

 友達の紹介でマッチングアプリを始めてみた。正直ヤリモクで、色んな女に手を出してたよ。で、とある女(今後は美紗と表記する)に出会った。


 美紗は地元では有名な女子大学の学生。

 学科は看護科で、歳は俺よりも一歳上。

 で、現在は実習が沢山あって大変だと語っていた。そんな女の子とマッチングして、数回の食事を経てから、ホテルへGO!!


 俺と美紗の相性は最高で何度もヤッタ。

 と言えども、俺の中では遊びだった。

 ベッドの上では何度も愛を囁き続けたものの、俺にとって美紗は遊び相手の一人。

 マッチングアプリで出会える女は沢山いたので、その中の一人って感じだった。


 悪い言い方をすれば——。

 美紗は呼び出せばすぐに来る女って感じ。

 都合が良い女とでも呼べばいいのか。

 連絡を取れば、すぐに会いに来てくれたし、何かと世話焼きな性格なので……。


 俺は何かと彼女を呼び出していた。


 で、大学の二年生後半になった頃から、俺の大学ではゼミが始まった。グループワーク中心で周りと協力することが多くなったわけで、その中で出会った女——亜美と急接近することになった。

 元々、亜美は俺に興味を抱いてたらしい。でも、今まで接点がなかったから、喋りかけにくかったそうだ。

 亜美は美人で性格も穏やかな子。

 友達から「お前ら付き合えよ」と煽られることも多く、俺たちは付き合うようになった。


 俺は誠実な男である。

 亜美と付き合う以上は、マッチングアプリをやめようと思ったのだ。彼女持ちなのに、他の女の子に手を出したら……大学内で悪い噂が立ってしまう。俺はそう思ったのだ。


 で、俺は淫らな女性関係を切ったのだが。


「ヒロくん、久しぶりだね」


 バイト先のファミレス。

 某有名なチェーン店にて。

 注文を取りに行った俺を見て、美紗はそう言ってきたのだ。


「ずっと探してたんだよ。ヒロくんのこと」

「お客様、ご注文のほうはどうしますか?」

「それじゃあ、ヒロくんを注文しようかな」

「申し訳ございません。ヒロくんという商品は、こちらのほうではお取り扱いしておりません」

「えぇ〜。悲しいなぁ〜。お取り扱いしてよぉ〜。美紗、寂しくて寂しくて堪らないんだよ。だからさ、早く温めてほしいんだけど」


(続く)

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