②の続きから。


 日雇い生活を続けて半年が経った頃——。

 正規の職員から呼び出しを食らいました。

 何か変なことをしてしまったのかと思っていると、職員の方から質問攻めを受けた。


「キミは何歳なんだ?」「キミはどうして毎日ここに来るんだ?」「学校はどうした?」「今はどこに住んでいるんだ?」「どこ出身だ?」


 私は正直に答えた。

 田舎から飛び出してきたんだと。

 彼女と一緒に暮らしていることを。

 すると、職員の方は私に興味を持ってくれたようだ。無理もないか。未成年の人間が学校にも行かず、毎日日雇いで働いているのは。

 で、最後に彼はこう言ってきた。


「もしよかったら契約社員として働かないか? もしキミがここで働く気があるなら、我々はキミの力になりたい」


 私はこの話に承諾した。

 というのも、契約社員になると、時給が上がるのだ。更には無料でフォークリフトの資格を取らせてくれるのである。

 で、私はフォークリフトの資格を取り、額面で月20万稼げるようになった。お金に余裕が出ると、贅沢がしたくなる。

 週に一回だけお肉屋さんへと向かい、100g298円(木曜日が安売り)のお肉を購入した。カセットコンロの上にフライパンを置き、そこで二人だけの焼肉を楽しんだ。

 二人とも育ち盛り。食べに食べた(´;ω;`)

 食事を取ったあとは十分な睡眠を取った。

 で、食も睡眠も満たしたあとは——。


 性欲を発散した。

 四畳半の部屋。

 隣の家には声が響いたと思う。

 だけど、若い私たちは気にしなかった。

 そんな生活を送っていたある日——。


 彼女が体調を壊した。

 吐き気がすると言い、その場で吐いたのだ。私は気を動転させ、大家のばあちゃんの元へと向かった。助けてくれと縋り泣いた。

 彼女以外に、私の生きる意味なんてなかったから。で、その結果——私は知った。


 彼女のお腹に新しい生命がいることを。


(続く。次回最終回)

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