ビッグバトル! 5
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人類の歴史は男と女が創ってきた。
今までも、そしてこれからも変わらない。
人類四百万年の歴史、その真価は今問われているのだ。
バーチャルゲーム「バトリング」内のイベント、ビッグバトルは続く。
「だあああ!」
ビキニ姿のメロリンは、対アーマー騎兵ライフルで敵を射撃した。
長さ二メートル弱、重量三十キロ以上。
そんなライフルを構え、メロリンは広い荒野という戦場で敵を迎え撃つ。
「ゴヨウのバっカヤロー!」
メロリンの目はマジだった。
彼女のゴヨウへの思いは、愛憎入り混じってドロドロしてきた。
土煙を上げて突き進んでくる敵アーマー騎兵を前に、メロリンは戦いのメイクを施す。
――べっとり
指先につけた赤い染料で、顔に横四本のラインを引く。
それは機甲ハンターの迷彩だ。
――グィーン!
唸りを上げてメロリンに迫る敵アーマー騎兵。
高さ四メートルの鋼鉄の巨人が、時速四十キロを越える速度で突き進んでくる。
その迫力には、生きた心地もしないだろう。
――ガガガ……!
メロリンへの援護射撃。
ピンク色のアーマー騎兵「ピンクベアー」は、メロリンの仲間カオスの機体だ。
敵アーマー騎兵が援護射撃を受けて、ローラーダッシュをストップした。
「おりやあああ!」
ビキニ姿のメロリンは対アーマー騎兵ライフルを構えて、駆け出した。
線の細い彼女が、持ち上げるのも難しい対アーマー騎兵ライフルを持ち上げて駆け出す姿は、勇ましく凛々しく、艶やかでもある。
メロリンは敵アーマー騎兵の前方に踏みこみ、ライフルの銃剣を突き出しながら引き金を引く。
「思い知れえええ!」
メロリンの放った起死回生、最大の一撃パイルバンカー。
轟音と共に打ち出された鋭い切っ先は、敵アーマー騎兵の装甲を刺し貫いた。
これが現実であればパイロットは……と、少々恐い想像をする事になる。
――Mission complete!!
空中に浮かび上がる文字は、このステージでの戦闘が終了した事を告げていた。
メロリンの参加する「チーム・アバキハラ」は連勝街道を爆進中だ。
「ふう……」
「メロリン、やったね!」
一息つくメロリンへ、ピンクベアーから降りてきたカオスが駆け寄る。
メロリンはボサボサした長い髪を後ろで無造作に束ね、カオスはサラサラしたロングヘアーだ。
水着姿の二人が戦場にいるだけで、そこは殺伐とした世界とは違うように思われた。
「ご、ゴヨウめ〜!」
メロリンは怒り狂った般若の形相だ。
当然だ、ゴヨウはコピーであるメカゴヨウを残し、ゲーム内からいなくなっている。
急な別の戦場へ向かったのはわかるが、デートの最中に女の子を置いて帰ってしまったようなものだ。
「女の恨み…… 晴らさでおくべきか〜!」
メロリンの咆哮がゲーム内の擬似空間にこだまする……
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