風車小屋のたもとで
それは、無限に広がる暗闇の中
シュリナは二度目の死の恐怖に脅えていた。
天使セラフィムから永遠の命を授かり、死なない。又は死ねない。身体となっていた筈であった。
『それなのに……』
新たなるオメガには全く歯が立たずに敗れ、そして今は魂となったのか、暗く深い闇の中を彷徨っていた。
『ボクは死んだのか……?』
そう思うとシュリナは不思議な開放感を覚えた。
が、セラフィムがシュリナに永遠であり不老不死の命を与えた事は例え彼女に対する好意からであっても許されざる罪を犯していた。
[不老不死の筈なのに、その死の恐怖に襲われた]
それは、シュリナに取っては並々ならぬ苦しみを伴い、それは激しい痛みとなり心と身体中を電流の様に駆けめぐり、シュリナを苦しめていた。
シュリナその苦痛に
「うわぁ!、あぁぁ!!」
喘ぎ、そして無いはずの身体を身悶え苦しんでいた。
ふと、その時である
遥か闇の彼方から
『あんた大丈夫か?、おいしっかりとしい!』
と、シュリナに向かって誰かが呼びかけて来る声を聞いた。
その声にはシュリナを想う温かさがあった。
シュリナはふとその声の主は天使セラフィムなのでは?。と、思いながら
「て、天使様……」
呟き、消え去って無くなった筈の腕をその闇の中、声のする方へと伸ばした。
が、次の瞬間
ムニュっとその手が物理的な何かを掴んだ
非常に柔らかな感触だった。
ふと気付けば身に覚えのある感触だった。
シュリナはもう一度その感触を確かめた
やはりムニュっとした柔らかな感触だった。
すると次には
「いやぁぁぁぁーーーーっ!」
≧Δ≦💦💦
と言う、女子が上げている悲鳴を耳にした。
『ΣΣΣ!?』
その声、そして、ムニュっとしたその感覚が妙にリアリティーを持っている事にシュリナは気が付いた。
ΣΣΣ( ̄□ ̄;)!!!
シュリナは透かさずに「ハッ」と息を呑み跳ね起きた。
シュリナはベッドに寝かされていた
その目の前には けもの族のクマ科のシュリナと同い年位の女の子が居た。
そのクマ族の女の子は顔を真っ赤にしながら悲鳴を上げていた。
おぼろげながらも、シュリナは今の状況がどんな状況なのかを悟った。
だから、恐る恐る、その伸ばした左手が一体、何を掴んで居るのかを確かめる為に見た。
思いっきり、女の子の胸(オッパイ)を掴んでいた!
何事かを悟った時にシュリナも羞じらいを覚え赤面しなが
「ご、ごめんなさい!!」
と、声を上げ刹那にその手を撥ね除けた外した。
が、
「一体何やらかしてんや?。許さへんど!このヘンタイ!セクハラ魔神!!」
と声高らかに叫んだ、それは正にヘビメタ音楽のデスボイスその物であった。
そして次の瞬間、少女べあべあは直ぐさまにピコピコハンマーをその手元に召喚し
「ひぃ!」
とシュリナは小さく悲鳴を上げながら、まるで叱られる子供の様な様子で恐怖に顔を引き攣らせながら、必死にべあべあから身を退けるも
そう、そこはベッドの上、そしてシュリナが身を置くそのベッド壁に接して作られている。故にシュリナの背後には壁が立ち塞がり、前方には鬼と化したべあべあが、そう当然ながらシュリナの逃げる場所などは全くない。
が、シュリナは枕を見付け、それを直ぐさまに頭をカバーしようとしたが時既に遅し!
「受けろ、必殺の一撃!天誅べあぁぁぁぁぁーーーーーーっっっ!!!!」
ギョッと目を見開くシュリナに向かって
べあべあはシュリナに向かって叫び力任せに手にしたピコピコハンマーをシュリナに向かって振り下ろした。
Σピコッ!!
と、乾いた音が室内に響き
シュリナはその一撃を頭に受た
さほど痛くは無かった
が
シュリナはべあべあに対する申し訳な無さの気持ちから
「イタっ」
っと、声に出していた。
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