風車小屋で②

シュリナの顔が恐怖に引き攣った

彼女は天使、セラフィムによって死ぬ事を知らない身となっていた筈であった。


一度は迎え掛けた死。


だが、セラフィムに救われた後には不老不死となり、生きる喜びよりも死ぬ事が出来ぬと言う苦悩を抱えて今を迎えていた。


が、今のシュリナはその身が凍り付く様な 死 の恐怖に襲われ、絶望 の中にあった。


その様々な光を発している、巨大な灰色の球体。


オメガ


それが今、シュリナに絶望と死を投げかけていた。


オメガ


それは、万物を創造した者


勝てる筈が無かった

その様な者に刃向かった自分が愚かだった。

シュリナがその後悔を胸にした時


その灰色の球体は中心部に一筋の金色の光を横切らせると


唖然とするシュリナの眼前で


光の走った中心を核にして、その灰色の皮膚を上下にゆっくりと押し開いた


「!?」


シュリナの内にに更なる衝撃が走った


そこ現れた物。

それは灰色に縁取られた巨大で真っ赤な眼であった。




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