風車小屋のたもとで

時は戻り現在-りるる達の時代-


シュリナは悪夢にうなされていた。


そこは、人の世では無い次元の果ての世界


シュリナは、その宙空にひとりで居た。


『なぜ?、なぜ?、人を滅ぼす?、オメガ!』


だが、夢の中のオメガはシュリナのその問いには答えては来なかった。


渦巻く黒い雲の中で シュリナ はその渦の中心で様々な色の光を発している巨大な生命球体、オメガに向かって激しく跳躍し、

 

「うおぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」


と雄叫びを上げながら、オメガに向けて手にしていた鉾を全力で振り下ろした


バシッ!


その一撃にシュリナは確かな手応えを感じた


「やった!!」


シュリナは『行ける!』と確信し

自身自信みなぎる顔でオメガを振り返り見詰めた。


が、


「なんともない……」


そう、オメガは全くの無傷であった

シュリナの手にする鉾には旅の途中で与えられた、魔力 が備わっていた。

だから、額面上はどんな物でも斬る事が出来る筈だった。例えそれが物体として存在する限りは、神 であっても……。


その力が、オメガ には全く通用してはいない。


『可笑しい、これは、絶対に可笑しい』

『鉾を振り下ろす力が足りなかったのか?』


様々な思考が、その様に言葉となり、シュリナの脳裏を電光石火の早さで駆け巡って行った。


オメガを見るシュリナの顔から笑みは消え、その血色も青ざめ。代わりにやって来た絶望の色を讃え始めていた。




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