風車小屋のたもとで
時は戻り現在-りるる達の時代-
シュリナは悪夢にうなされていた。
そこは、人の世では無い次元の果ての世界
シュリナは、その宙空にひとりで居た。
『なぜ?、なぜ?、人を滅ぼす?、オメガ!』
だが、夢の中のオメガはシュリナのその問いには答えては来なかった。
渦巻く黒い雲の中で シュリナ はその渦の中心で様々な色の光を発している巨大な生命球体、オメガに向かって激しく跳躍し、
「うおぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」
と雄叫びを上げながら、オメガに向けて手にしていた鉾を全力で振り下ろした
バシッ!
その一撃にシュリナは確かな手応えを感じた
「やった!!」
シュリナは『行ける!』と確信し
自身自信みなぎる顔でオメガを振り返り見詰めた。
が、
「なんともない……」
そう、オメガは全くの無傷であった
シュリナの手にする鉾には旅の途中で与えられた、魔力 が備わっていた。
だから、額面上はどんな物でも斬る事が出来る筈だった。例えそれが物体として存在する限りは、神 であっても……。
その力が、オメガ には全く通用してはいない。
『可笑しい、これは、絶対に可笑しい』
『鉾を振り下ろす力が足りなかったのか?』
様々な思考が、その様に言葉となり、シュリナの脳裏を電光石火の早さで駆け巡って行った。
オメガを見るシュリナの顔から笑みは消え、その血色も青ざめ。代わりにやって来た絶望の色を讃え始めていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます