パキラのひみつ 冬のお祭り

その日の夜は深々と雪が降っていた。


パキラ が始めての5歳の日を迎えた日でもあった。

そして、その日は パキラ の誕生日でも有るのと同時に、冬のお祭りの日でもあった。


今、屋敷の中ではパキラの誕生日祝いと同時にお祭りを祝うパーティーの準備が急がれていた。


そんな特別な日は、普段は家の事は全てパキラの家に仕える侍女のメイド達や料理人達だけで無く、その料理人やメイド達と一緒に、パキラの両親も忙しくパーティーの準備に取り込んでいた。


しかし、パキラ だけは 「まだ、子供だし、それにパーティーの主役たがら」


と、両親やメイド達に言い付けられ、その一員からは特別扱いを受けて外れていた。


しかし、パキラ はそんな自分に対する手厚つすぎる特別な扱いに不満を感じていた。


「私だって、みんなのお手伝いぐらいやれるのに……」


と、不満も隠さぬ剝れっ面で誰にでも無く、悪態を吐くと、次にはその視線は部屋の片隅にあるソファーへと目を移した。












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