パキラのひみつ⑤

エルフ族である パキラ はその種族の特徴故に、人族やけもの族 よりも長寿でそして、それ故に成長のスピードもその二つの種族よりも遅く、そして、ひとつの年齢で居る時間もやはり、人族やけもの族 よりもその成長速度が長くて遅い。


パキラは今年やっとその年齢が15歳へと達して待望していた、このメイド学校への入学を無事に果たせた。


そう、長く長く待ったのだ。


ずっと、ずっと、ずっと


季節が春から、夏へ、そして雪降り冬へと

移り行くのをどれだけ過ごして来た事か


それだけの長い時間の中で、パキラは この学校へ通える願いを果たしたい、そう願い続け過ごして来ていた。


『それなのに……』


生真面目過ぎる性格も手伝ってか、三人でバカ騒ぎを起こしている、りるる達の姿が パキラ の眼には ふざけ合い戯れ合う不真面目な連中として映り、そして、それを疎ましくも感じていた。

言わば、パキラ に取って りるる達は目の上のたん瘤で目障りな存在なのだ。


しかし、これは飽くまでも パキラ 自身が りるる達三人に抱く感情だった。だがこれは パキラ もやはり種族は違えどやはり パキラ 自身も人の子であり、仲良し三人組に対する、ことに りるる に対しての嫉妬や僻みを無意識に抱いている、それはやはり 人 としての欠けた部分である。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る