ねこ耳のりるる

その日の授業を終えた、りるる みなな シナモン の三人は シナモン の誘いもあり、シナモンとその家族が営むカフェ アップルミント へ立ち寄り三人で談笑を交わしながら、シナモン の母が用意してくれていた。紅茶とケーキを食べて飲み、寛ぎの時間を過ごしていた。


「全く、あのソフィアとか言う、オバさん教師なんとなならんかな?」


と、いきなりシナモンが口を開き、そう愚痴を零し始めた。


何時もの事だった


りるる はそんなシナモンに

『もう何度目なんだろ?』

と苦笑の浮かぶ声で


「仕方ないよ、だって、私たちは何時かは王家に使える様な、立派なメイドになる事を目指しているんだから。」


シナモンはその りるる の言葉に


「そりゃあ、そうなんだけでさ。いやいや、ありゃ性格だね。そう、姑の気質。意地悪なだけ」


姑、そのキーワードに、りるる は『姑って…いやいや、シナモンさん、あなた、そんな主婦みたいな発言を…』


と、更に苦笑し

聴いていた


その一方で、みなな は


「この、お茶もケーキも、凄く美味しいのだ」


と、二人を余所にお茶とお菓子を食べて飲み事に夢中になっていた。


りるる と シナモン は、その みなな に目を向け


まずは シナモン が


「全く、あの娘は、無邪気って平和で良いよね…見てて、こっちも安心してくるわ」


りるる も 


「だよね、でもそれが良いんだよ。平和って大事」


と言って返してから、りるる 自身も安心を覚え、「ふぅ」と一息を吐き、そして、白くて綺麗な陶器のカップに入った紅茶を口にした。


すると、不思議な安らぎ感が りるる の心に広がった。


『何時でも、油断なく、その心を構えて居なくてはならない』


りるる の心を支配していた。

父の呪縛の言葉がその瞬間プチッと断ち切れたのだ


紅茶を飲み終え、りるる は本心から安堵した表情をその顔に浮かべ


「ふぅ」


とため息を漏らすと


突然にそれは起こった


シナモン と みなな の目ある前で


ポン!


と、ひとつの

音が弾けて響いた


りるる はそれには全く気付いた様子も無く、また、お茶を口に運び飲んでいた。


しかし、シナモン と みなな は その突然の出来事に驚きを隠しきれずに、りりる をじっと見ていた。


そして、おもむろに みなな がその口を開き、りるる を指さしながら


「ね、ねこ耳なのだ!、尻尾もあるのだ!」


驚きの声を上げていた

















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