りるる頑張ります⑤

事の経緯はこうであった

街なかで起きた、りるる と みなな の騒動を知った、シナモンが、その場へと駆けつけて来て、りるる と みなな を自宅兼カフェのアップルミント迄連れ出したのだ


そして先程までのやり取り


その後、シナモンは りるる に色々と尋ねて来た。


「貴女、この街の人じゃないでしょ?」


そう言って りるる の顔をジッと見た

すると りるる はその顔を綻ばし、シナモン を見詰め返し


「はい、私はこの街から東にある国、サクラフラワーからやって来ました」


と静かにそれに答えた


サクラフラワー、その名を聞き、シナモン も みなな もキョトンとした


りるるの言ったサクラフラワーシティとは大きな王族が居を構えている、巨大な城塞都市国家の名であった。


そこには君主である王レニーア家の王城を中心に

その一族やそれに使える数々の豪族や貴族、更には名の有る騎士や魔術師に錬金術師などが集う、大小幾つもの城があり。

街もやはり大きく栄えている所謂大都会であった。


そんな大都会からひょっこりと、りるる はこのフランソワーズと言う片田舎にある小さな城下町にまで態々やって来たと言う。


一体そんな都会からなんのために?


が、シナモン と みなな の思い抱いた疑問であった。


しかも、それは言葉にする以前に二人の顔に溢れ出ていた。


だから、りるる は二人がその疑問を言葉とするよりも早く


「私は、メイドさんになる勉強や訓練を受ける学校へ入る為に、この街へやって来ました」


と二人の疑問に答えた


すると シナモン と みなな 思わずは互いに顔を見合わせると

暫くの間、その儘キョトンとして黙っていた


が、暫くてシナモンは りるる へと向き直ると


「メイドになる為の学校って、セント・カトレアの事?」


と りるる にそう聞いて尋ねて返すと

りるる はそれに満面の笑みの浮かぶ顔で


「はい」


と素直な答え

そして最後に


「りるる頑張ります!」


と付け加えた。





















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