りるる頑張ります!④

街なかでの騒動の後、りるる は、その街の片隅にある小さなカフェに招かれていた。


そこは、りるるとひと悶着を起こした少女、みなな の知人である少女 シナモン の家族が営んでいる、古風なカフェであった。


「なんか、このチビッコが迷惑を掛けちゃったみたいで、ゴメンね」


とシナモンは、その隣にチョコンと座る みなな を目で示しながら気さくな声に少し済まなそうな意を込めながら、りるるにそう言って来た。


りるる もそんなシナモンに


「いえ、こちらこそ。ちゃんと前を見ていなかったから……」


頭をぺこりと下げながら平謝りして返した


シナモンはそれにクスッとしながら

次には みなな に目を向け


「ほら、みなな 貴女も悪いんだから、ちゃんとこの娘に謝らなきゃ」


と、りるるへの謝罪を促した。


しかし、みなな はまだ納得していなかった

飽くまでも事故なのだ

だから自分は悪くないと言う不満があった

それ故にふくれっ面でふて腐れながら


「みなな は悪くないのだ。むしろ、みなな は被害者なのだ。」


と言うなり、みなな は りるる へ向けて指を指し


「この、おっぱいオバケに打つかったせいで、みなな は美味しく舐めてた大事なペロペロキャンディーを落としてしまったのだ」


と胸を張りながら自信たっぷりに豪語すると


りるるは溜まらずに取り乱し赤面させながら


「え、ええ~~っ!。おっぱいオバケぇ~~っ!!!!」


声を上げた


りるるが明らかに動揺しているのを見た、みなな は、『勝ったのだ』ほくそ笑と[普段はイジられている自分が見知らぬ誰かに勝てた]と言うしょうもない理由で更に得意げになり


「そう、アレはまさに牛さんだったのだ!」


と言い放った


すると次の瞬間、シナモンは


「こら!お主は何時からセクハラオヤジになったのか!、このワンコロめ!」


と叫び

今までそれを何処に隠し持っていたのか

手にしたハリセンで みなな の頭にパシン!と1発叩きを入れ、みななをシバいた


みなな は思わず


「ぬわぁ!」


と悲鳴を上げ


頭を両手で押さえながら


「頭が~頭が~、このままでは桃太郎が産まれしまうのだぁ~~」


と意味不明な言葉を繰り返して言いながら

呻いた


そのやり取りを目の当たりにした りるる は、みななの[おっぱいオバケ発言]は気にせぬ様にと密かに心掛けながら「なはは……」と苦笑をした


このカフェの名はアップルミント


今そこには りるる の他に


基本的には人と同じ姿をしているが、頭にはもふもふの犬耳をそしてお尻からはやはりもふもふの尻尾の有る犬科のけもの族 ワンワン 種族の背丈の小さなロリっ娘 みなな と、背丈は りるる とはそんなには変わらない、ショートカットでボーイッシュな人種族の少女、シナモン の三人だけがそこにいた。












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