りるる頑張ります!②

世の中そんなに甘くは無かった

りるる は中に物がぎっしりと詰まった

鞄を引っ張りながら、駅からフランソワーズの街へと続く長くて急な坂を登っていた。


幸いだったのは、鞄は旅行鞄で底にはキャスターが付いており、それを押すなり引っ張っるなりをする事で動かす事は出来る代物である事だった。


だが、それでも坂道でそれを15歳の少女がひとりで遣るとなると、それは相当にキツかった。

ましてや、りるる はつい昨日までこんな急な坂道とは無縁の街に住んでいた。


しかし、それでも何とか頑張って坂の中腹に迄はたどり着いていた


もちろん息が上がっていた

汗もかなり掻いていた

今にも泣き出したい程に辛かった


「ハァハァハァ……」


と息を切らせながら、りるる その足を止めひと息をいれた


そしてポケットからハンカチを取り出すと、それで額から流れ落ちる汗を拭い取り、

それから鞄の脇にぶら下げある、水の入った革袋をヒュっと力に任せて引き抜いて

りるる はその中に入っている水をガブガブと飲み喉の中に流し込んだ。


それで人心地が着いたのか りるる は


「ふぅ」


と、ひとつため息を吐くと


わっと、力強く、疲れている筈のその上体を大きく仰け反らせると

頭上に広がっている、青い空に向かって


「もう、私こんなのイヤだぁーーーーーーーーーーーーーっ!!、何処まで続くのよこの坂道はぁーーーーーーーーーーっ!!」


と声を大にして叫んで


「もう信じられなーーーーーーーい!!」


≧Δ≦””


と最後に付け加えた





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