りるる頑張ります!①

そこはフランソワーズと言う名の国


りるるは沢山の荷物の入った大きな両手持ちの鞄を重たげに


「よいしょっ」


と半ば引き摺り運びながら乗って来た汽車を降りて、そのホームに降り立った

りるるはその手荷物が予想以上に重かった事を今更ながらに思い出した

傍目からその姿は りるる がまるで引き摺られている。


そんな風にも見えていた。


必要以上の物をその中に詰め込み過ぎた

でも、りるる にはそれだけの思いがあってこのフランソワーズへとやって来たのであった。

りるるは荷物と格闘した後の疲れと一緒に、


『ついにやって来た!』


と言う感慨を込めた

ため息を


「ふぅ」


と、ひとつ吐いた


そして、今まで荷物方へと向けていた顔を上げると、りるるはその顔に満面の笑みを浮かべるながら


「うわぁーーー!!」


感激の声を上げた


眼前にはその駅から望む街並みが広がっていた

そこは丘陵地帯に並び立つ白と黒を基調とした石造りの街並みが広がっていた

街の中心部と思しき丘の高台にはやはり白を黒を基調とした大きな風車が立ち、今もゆっくりとその風車は風に漕がれながらゆっくりとその羽を回していた


それを目にした りるる は


「うわぁっ!、うわぁ!、うわぁー!」


と再び感激の声を上げ


「私、私、遂に来たんだ、このフランソワーズに!!」


とその感激をいっぱいに声に出し


その瞳に希望をいっぱいにキラキラと輝かせた










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る